ごるふ好きとごるふ嫌いの架空対談
(2002/10/1〜10/7)
ついにウェブ開設1周年を迎えた。今日は366個目の日記である。めでたい。始めた時は、いつネタがなくなるか、いつ更新をサボり出すのか戦々恐々としていたが、家庭と仕事(特に仕事)を犠牲にする事で何とか2年目にこぎつける事ができた。 もちろん、自分一人の力で成し遂げられたのではない。ウェブ開設当初から色々とご助言くださり、手抜きの日記には必要以上の(^^;ご鞭撻を頂いたゴルフ「80を切る!」日記の高野様、「続ける事が大切ですよ」とメールで叱咤激励してくださった、キャロウェイマニアでおなじみ「SPUNKY Golfer's Page」のSPUNKY様、掲示板に書き込みをしていただいた多くの皆様、「いつも楽しく拝見しています」とメールを頂いた皆様、そして拙いウェブを飽きもせずご覧頂いている貴方、そしてもちろん、優しく聡明な妻に、心から感謝の意を表したいと思う。本当にありがとうございます。 これからもできるだけ毎日の更新を続けていきたいと思うが、一応当初考えていた「1年間は毎日更新」はクリアしたので、少し肩の力を抜いて2年目の更新に臨みたいと思う(土日祝は休むとか)。というか、もう少し気楽に日記書いていいですか?結構疲れました。実はすごくしんどかった時期もありました。はっきり言えば、ネタに困って寝付けない日々もありました。でも、毎日更新の看板を外しちゃうとこのサイトは何の魅力もなくなるので、頑張りました。・・・なんて内輪の話は全く面白くないので、早速特別企画に入ろう。 考想3ヶ月、制作7日間の大作である。言っておくが、超大作である。映画で言えば、ベン・ハーか十戒か、というスケールである。中身はともかく、スケールだけは大きい事を保証する。 ごるふ好きとゴルフ嫌いの架空対談 ごるふ好き(以下「好き」)「まずは、ごるふのどこが嫌いなのか言ってみてください」ゴルフ嫌い(以下「嫌い」)「望む所です。まず1つめ、見ていて面白いと思えない。2つめ、ゴルフをしている人に友達になりたい類の人間が見当たらない。はっきり言えば、大多数のゴルファーは鬱陶しい! 3つめ、道具をそろえるのにもプレーするにもお金がかかる。4つめ、上達しないとコースに出れない。5つめ、従って敷居が高い。6つめ、ルールやマナーがうるさく、気軽に楽しめない。7つめ、なかなか上達しない。8つめ、一人でプレーできない。9つめ、ゴルフ場建設は自然破壊である、10個め、・・・」 好き「わかったわかった。そんなにたくさん並べられてもどう話をしていいのか判らない。少しづつ行きましょうよ」 嫌い「あなたが言えと言ったんじゃないですか。まあいいや。じゃあ、まずはゴルフというスポーツそのものについて話しましょうか。私には、ただ地面に転がっている球を打ち、穴に入れるだけのスポーツが面白いとはどうしても思えない。見ている分にはまだ多少面白いけれど、自分でしようという興味は湧かない。もそもそも、スポーツとして認めたくない。たくさん体を動かすわけではないし、走ったり時間制限があったりする訳でもないし。ゴルファーとやらの平均年齢が異様に高い事でも、それは証明されているじゃないですか」 好き「確かに、アマチュアの場合、スポーツのイメージとは離れているでしょう。しかし、プロは違いますよ。1日に何時間も球を打ち続けるためには相当な体力が必要です。プロとアマが違うのは、どんなスポーツでも同じじゃないですか? さらに、スポーツじゃないから面白くない、というのは論理のすり替えで、百歩譲ってアマチュアのごるふがスポーツで無いとしても、だから面白くないとはいえないでしょう」 嫌い「まあ、スポーツ云々と言う点は良いでしょう。あなたの言うとおりだ。じゃあ、ゴルフがなぜ面白いかと云う事を証明してくださいよ。止まった球を打ち、少ない回数で穴に入れる事が何故面白いのか、私にわかるように説明できますか?」 好き「それは・・・実際にやってみれば判ると思うんだけどなあ」 嫌い「すぐそれだ。やってみないと判らない、やったら判る。そんな事で説明になると思っているんですか? した事が無い人に対して、どう面白いのか説明してくださいといっているんですよ。それに、私は何度かコースを回ったことがありますが面白いとは思わなかったな。連れて行ってくれた上司は、とにかく打ったら走れ、ボールに触るな、人の邪魔をするなと注文ばかり。自分は少々上手く打てるから良いものの、私なんて打っている時間より走っている時間の方がはるかに多かったんだよ。何万円も払って山にジョギングしに行ったわけじゃないんだ」 好き「それは連れて行った人が悪いわけであって、ごるふそのものが悪いわけでは・・・」 嫌い「ふーん、おかしな人とラウンドすると、ゴルフの面白さが無くなってしまうのかい? ゴルフの面白さは、そんなに薄っぺらい物なのかい?」 好き「いや、必ずしもそういうわけではないんだが・・・・。じゃあ逆に聞きますけど、そのラウンドの時、一つも面白い事は無かったの?」 嫌い「無かった。」 好き「本当に? 1つぐらい楽しい事があったでしょう? 思い出してみてよ」 嫌い「うーん・・・・。そういえば、最後の方でやけくそになってドライバーを振り回したら、びっくりするぐらい遠くへ飛んだ事があった。あれは気持ちよかったな。その嫌な上司のボールの遥か先に落ちて、そいつはそのホール、何故かミスばっかりしてたな。そして、私はそのホールだけ、その上司に勝ったんだ。口には出さなかったけど、相当悔しそうだったな。心の中でざまあ見ろと思ったよ。」 好き「ね、ね、面白い事もあるでしょ。じゃあ、その時面白いと思った点をもう少し整理してみてよ」 嫌い「面倒だな。えーっと、まず、ドライバーが良く飛んだこと。それから、その上司に勝ったこと。そして、ざまあ見ろと思ったこと。それくらいかな」 好き「それくらいって、1つのホールで3つも楽しい事があったんじゃないか。1つめは、技術の問題。上手く球を飛ばせた時の爽快さは、普段上手く打てないからこそ増幅されて快感となる。2つめは、競争できると云うこと。良きライバルがいて、競い合う楽しみはごるふに無くてはならないものだし、その競い合いはごるふだからさらに楽しい。この理由は3つ目にもつながってくるんだけどね」 嫌い「まあ、何となくわかるような気はするが。でも、ゴルフだからさらにその競い合いが楽しいというのはどういう意味?」 好き「それは、ごるふが肉体や技術だけではなく精神でも競い合うスポーツだからだよ。そのホール、嫌な上司に勝ってざまあみろと思った、と言ったけど、それは単に成績がまさったから?」 嫌い「それもあるけど、自分が良いショットをしたのをその上司が見て、それでミスを繰り返したと思ったから・・・なるほど、つまり、技術で負けても精神力では勝った、と思ったからかな?」 好き「その通り。まあ、あまり優越感ばかり感じすぎると嫌味になるけど、初心者のまぐれ当たりのドライバーで動揺してしまうぐらい、ごるふは精神力を試されるスポーツなんだよ。その精神戦、自制心、克己心がごるふを奥行きの深いものにしているんだ」 嫌い「うーん、なるほど。云わんとする事は良く判った。つまり、ゴルフは頭でするスポーツだ、と言いたいわけだね」 好き「もちろんそれだけでは無いけれど、その比重がとても大きい。だから飽きないし、奥が深いんだよ」 嫌い「判った。それについては認めよう。認めないと頭が悪いと思われそうだしな」 好き「そんな事は無いけど、単に球を打つだけのスポーツでは無いとわかってくれたら嬉しいね」 嫌い「でも、それで全て片付いたわけじゃないぞ。まだまだゴルフの嫌いな所はたくさんあるんだから。ではその2だ。その嫌な上司にしても、一般のゴルファーにしても、どうしてあんなに嫌なヤツが多いんだ?」 好き「うーん、確かにそれに関しては偏見の一言では片付けられない事実の部分もあると思う。日本には、ごるふが純粋なスポーツとしてではなく、接待などで仕事の手段として、あるいはステータスや投資の対象として使われてきたと云う不幸な歴史があるから、胡散臭い人種が多かったのは否めない。私も、コースだけでなく練習場でも『なんじゃこのおっさんいっぺんしばいたろかわれ』と思う事もしばしばだから。でもね、ごるふぁーが特別嫌なヤツの比率が高いとは思わない。一般社会と、その比率は実は変わらないんじゃないかと思うんだ」 嫌い「じゃあ、どうしてあんなに嫌なヤツが目立つんだい?」 好き「それはつまりこういうことさ。ごるふと言うスポーツはその人の性格を丸出しにしてしまうんだ。日頃、会社や家庭で善人面してたり猫をかぶってたりしてる人間も、クラブを握るとその本性が出てしまう。だから結果的に比率が高く感じられるんだと思う」 嫌い「ふーん。でも、それは『嫌なヤツが多い』と云う説明にはなっていても、私が『嫌なヤツが多いゴルフと云うスポーツをしたくない』という事に対する説得にはなっていないと思うんだが」 好き「人は人、他人は他人さ。確かにごるふに対する世間の偏見はあるけど、これから純粋にスポーツとしてごるふを楽しみ、マナーを守る若い世代が増えてきたら変わってくると思うよ」 嫌い「何十年先になるか判らないけどね」 好き「だから努力してるんですよ。でも、個人の力には限界がある。各種のごるふ団体や財団などが本気で日本のごるふ改造に取り組んでくれればいいんだけど、現状では難しい」 嫌い「じゃあ次に行こう。その3。とにかくお金がかかる。1日遊ぶのに2万円〜3万円掛かるのはどう考えても贅沢な遊びだ。それを安くする為に、ゴルフ場の会員になろうと思ったら目玉の飛び出るようなお金が必要だし、これは何とかならないの?」 好き「これは難しい問題だ。もちろん、土地の値段が高い、人件費が高いという日本独自の問題もあるけれど、根本的には『高級であればあるほど良い』という高度成長期とバブル時代のツケだと思う。ごるふなんて、本来海沿いの原っぱで老若男女が楽しく遊ぶ為のものだったのに、投資と接待と云うシステムに組み込まれてその本質が汚されてしまったんだ」 嫌い「歴史なんて知った事じゃない。今の現状が何とかならないか、と言っているんだよ。クラブも、1本10万円以上もするなんてどういう事だい?」 好き「最近は少しづつ良いほうに動いてきていると思うよ。不況のせいで接待ごるふが激減した事もあって、プレー代については平日なら1万円以下で回れるコースも増えてきたし、高級なメンバーコースもどんどん値段を下げている。そうしないと淘汰されていくんだ。また、クラブも確かに高級なものは高いけど、最新式でなければそこそこのクラブがセットで10万円も出せば買えるはずだよ。中古ショップも増えているし。しかも、クラブは一度買ってしまえば基本時には10年でも使うことだって可能だ。そう考えれば、決して高いとは思わない。スキーをするにしても、草野球をするにしても、ユニフォームやウェアなども含めたらそれくらいの初期投資は必要でしょ?」 嫌い「10万円で10年か。それ以外の、消耗品とか練習代とかはどうなの?」 好き「ごるふ用のシューズは8,000円程度からあるし、グローブは1000円〜3000円ぐらい、ボールは1個100円ぐらいからあるし、そんなに掛からないよ。練習も1回1000円から2000円ぐらいで結構打てるし。ただ、最初はプロに教えてもらう方が絶対に良いんだけど、それは一回数千円だね」 嫌い「やっぱり結構かかるじゃないか。大変だね、やっぱり」 好き「もっと気軽に始めるなら、あんまりお勧めしないけれど知り合いの古いセットを譲ってもらうとか、知人のうまい人に教えてもらうとただ同然だよ」 嫌い「おう、それ、いいじゃん。どうしてお勧めじゃないの?」 好き「ごるふは最初が肝腎なんだ。自分に合ったクラブで、自分の癖や体型にあったスウィングをしっかり教えてもらわないととんでもない遠回りをしたり、直すのにとてつもない苦労をするからね」 嫌い「まただ。そういう所が敷居が高い、と云うんだよ。ちょうどいいから次の点へ行こう。その4、上達しないとコースに出られない、そして、その5、従って敷居が高い」 好き「そう、確かに、ごるふぐらい準備と上達に時間が掛かるスポーツは他に無いと私も思う。コースへ出ないとごるふの面白さは判りにくいし、かといってある程度打てるようになるまではコースへ出られない。これは矛盾だよね」 嫌い「その通り。まるで初心者を排除するようなシステムじゃん。そんな狭い了見じゃ、ゴルフをしたい人を本気で増やしたいのかどうか判らんと云われても仕方ないぜ」 好き「システムというか・・・例えば欧米では、ごるふコースはパブリック、プライベート、リゾートと性格が大きく分かれていて、パブリックなどでは非常に敷居が低いんだ。それこそ、小学生やクラブを持って三日目のオバサンなどもプレーしているし、またコースもプレイヤーもそれを『パブリックだからこんなものさ』と理解している。つまり、もともとは初心者でも充分楽しめるスポーツなんだよ。それに、欧米のパブリックは公立、即ち市営や州営を指す場合が多い」 嫌い「でも日本の現状は全然違うじゃん。どゆこと?」 好き「そう。日本の常識は世界の非常識なんだ、残念ながら。日本のごるふ場は、その殆どがプライベートコース、つまりメンバーコースで、決まったメンバーしか原則的にエントリーできないんだ。誰でも回れるパブリックの数がとても少ない。さらに、パブリックといっても欧米と違って市営や県営は極めて少なく、企業などが経営していて『メンバーコースではない』という意味に使われることが多い。いつもいっぱいだし、予約をとるのも大変だ。まあ、何度も言うけど歴史や土地の問題もあるから仕方ないと言えば仕方ないんだけど、業界を束ねる団体が頑張ってくれないと・・・」 嫌い「そんな事今ここで言ったって仕方ないだろ。どうしようもないとかぶとを脱ぐつもりか?」 好き「もちろん、日本でも工夫次第で初心者でも楽しむことはできるよ。最低限の練習とマナーの習得は必要だけどね。例えば、ショートコースというのがある。これは、一般のコースのミニチュア版で、普通はアイアンとパターだけで2時間ほどで回ることができるコースなんだ。殆どのショートコースが予約無しでプレーできるし、服装やシューズもあまりうるさい事を言われない。値段も数千円だし、ここで何度かラウンドしてコースデビューに備えると云うのがおすすめかな」 嫌い「ふーん、そんなものがあるのか。あとは?」 好き「最近は、早朝や夕方に9ホールだけプレーできるプランを取り入れているコースも増えてきているよ。その場合は、メンバーコースでも一般の人を受け入れてくれるケースが多いし、費用も10000円以下の場合が多い。予約も当日電話でできるしね。それだと、割と気軽にラウンドできるよ」 嫌い「なるほど。少しづつ変わってきているという事だな。でも、今度はどうだ。その6、ルールやマナーにうるさく、気軽に楽しめない。いくら気軽にラウンドしようと思っても、ルールが複雑だとやる気をそがれるし、それにマナーマナーってうるさいじゃないか。そんなにお上品ぶる必要があるのか?」 好き「お上品ぶっているわけではない。これはとても大事なことだからはっきり云っておくけど、マナーはただプレーをスムースに気持ちよくする為のものではなく、自分や同伴者の身を護る為の物でもあるんだ。ごるふは、金属の棒を振り回し、すごいスピードでゴムの硬いボールを打つスポーツだから、実は大変危険なんだ。例えば同伴者が球を打つ時は動かない、というマナーも、もちろんその人の気を散らさないと云う意味もあるけど、他人が打つのを注目する事で打球事故を防ぐ、と云う意味合いもあるんだ。ピンから遠い人から球を打つと云うのも、スムースに進行させる理由以外に、打つ順番を明確にして事故を防ぐという意味合いもかねているんだよ」 嫌い「確かに、ゴルフクラブはそのまま凶器になるし、ボールも当たりどころが悪ければ死亡事故にもなるな」 好き「そう、ルールを守らないと、事故がいつ起こっても不思議は無いスポーツなんだ。だからといって、必要以上に恐れる事は無いんだけどね。モータースポーツよりは間違いなく安全だよ(笑)」 嫌い「・・・しょうもない。じゃあ、複雑怪奇なルールはどう説明する?」 好き「ルールブックがあるぐらいだから複雑と思われるだろうけど、実は全然難しくないんだ。ごるふのルールの背骨となる概念はたった2つ、『あるがままにプレーする』と『自分に有利に振舞わない』、これだけ。あとは、ここから派生した枝葉と、特殊なケースだけだよ。まあ、あと覚えておかないといけない事はいくつかあるけど」 嫌い「ほお、そうなんだ。でも、最初の『あるがまま・・』はともかく、『自分に有利に・・』と言うのはスポーツとしては当然のことじゃないのか?」 好き「そう、スポーツとしてと云うよりも人間として当たり前だよね。しかし、誘惑に弱いのもまた人間。ごるふには原則的には審判がいない。あくまで自己判断に基づいてプレーしていくわけだから、強い自制心と克己心を持ってプレーすべし、という意味合いを込めて『自分に有利に振舞うな』と謳っているんだよ」 嫌い「でも、それでもズルをしたりあくどい事をしたりする人もいるんじゃないの?」 好き「残念ながらそう。さっきも書いたとおり、ごるふはその人の性格をそのまま出してしまうスポーツだから、ごるふでズルをする人は日常生活や心の中も然り。従って、ごるふで不正を行う人は最も忌み嫌われ、最大限の侮蔑の対象になるんだ。史実でも、ごるふで不正を働いた市長が信任を失ったり、実業家が銀行から支援打ち切りを通達されたりしたこともある。日本でも有名なごるふ好きのタレントが権威を笠に着て子供でもわかるような不正をしたり・・・でも、実際にはそういう人間は侮蔑されていることすら気づかないんだけどね」 嫌い「うーん、単純な球ころがしと思っていたけど、結構複雑なんだな。」 好き「そう、だから楽しいし、飽きないし、奥が深いんだ。」 嫌い「いや、まだまだ認めないぞ。次はどうだ。その7は、難しくてなかなか上達しない、だから面白くない、だ」 好き「(小声で)上達しないからこそ面白いんだけど・・・」 嫌い「君のようなオタクでマゾなごるふキチ○イは特例だ。一般の人は、練習してもなかなか上達しないから腹を立てたり諦めたりしてゴルフを止めてしまうケースが多いと思うんだが。」 好き「じゃあこういうのはどう? なかなか上手くならないから、(少しでも)上手くなったときの喜びがとても強い。また、上達していく過程を長い期間にわたって楽しめる・・・とか・・・」 嫌い「苦しい!苦しすぎるぞ!自分でも苦しいと思っているだろ!強引だと感じながら発言しているだろ!わかっているぞ!もっと説得力のある意見を吐いてみろ!」 好き「わかったよ。上達に関しては確かに君の云うとおり時間が掛かる事が多い。しかし、それにもちゃんとした理由があるんだ。君が言うところの、『ただ地面に転がっている球を打つ』ごるふのスウィングについて、ごるふを始める前はどう思っていたかな?」 嫌い「もちろん、あんなもの打てない方が不思議と思っていたさ。私は野球をやっていたからね。練習場なんかでまともに当てられない大多数のゴルファーを見て、何てセンスが無いんだ、運動オンチなのか、いや特別センスが無いやつだからゴルフをするのか、とさえ思っていた。今でも、ちょっとコツをつかめばすぐに上手く打てるようになると思っているよ」 好き「野球と違って止まっているボールを打つわけだからね。そう考えても不思議は無い。でも、実はそこに大きな落とし穴があるんだよ。ごるふのスウィングはああ見えても実は大変複雑で、自己流でマスターするのはとても難しいんだ。それなのに、簡単だと思い込んで自己流で始める人が多い。特に男性や君のように野球をしていた人はある意味ごるふをなめながら始めてしまう。でも思ったようにいかない。そのギャップが、難しい、上達しないという偏見を助長してしまうんだ。」 嫌い「まあ、そう言われてみればその通りかもしれないな」 好き「それに、大人になってから始めると云う事もスウィングを固める事に対してはマイナス材料になるんだ。君は野球のスウィングをどうして覚えた?」 嫌い「もう、物心ついた時から近所の公園で振っていたよ。その頃は誰にも教えてもらわなかった。中学に入って、ある程度の理論は勉強したけどね。それが何か?」 好き「そう、小さな時から体で覚えたことは身に付きやすい。しかし、ごるふのスウィングは大人になって理屈をこねながら、つまり近道を探しながら覚えようとする。これが上手く行かない理由の2つめ。」 嫌い「なるほど。一応納得しておこう」 好き「で、3つ目は、さっきも言ったけどスウィングそのものがやはり複雑で、ポイントをしっかり押さえないと上達がおぼつかないと云うのも確かにある」 嫌い「ほら、なんだかんだ言ってもやっぱり難しい事を認めるんじゃないか」 好き「事実なんだから仕方が無い。でも、最初からスクールに入ったり良い先生に教わったりすれば、きっと着実に上達するよ。それは保障する。誰でも、ごるふを楽しめる程度までは上達できるはずだ。たとえ60歳から始めてもね」 嫌い「巷にあふれているゴルフ雑誌やレッスン書を参考にしたり、知人に教わるのではダメなのかい?どうも先生に教わる、と言うのは抵抗があるのだが」 好き「どうしてもそうしたいと云うならあえて反対はしないが、上達への道はいばらの道になる事を覚悟しておいた方がいいね。『HDCP20の人に教わった人は、HDCP19以下にはなれない』という言葉があるぐらいなんだ。だから、先生に教わる事が、急がば回れで最も着実な方法だと思うよ。ただし、良い先生を口コミになどで探す努力は必要だし、先生で合う合わないもあるだろうけどね」 嫌い「どこの先生が良いなんて、誰に聞けばいいのさ」 好き「近くのごるふショップや女性ごるふぁーに聞くのがいいかもしれないよ。女性はほとんど先生に教わったりスクールに入ったりしているからね」 嫌い「まあ何でも新しく始めるのは大変だからな。でも面倒なことには変わりないなあ。」 好き「まだ言うか。それは君の資質の問題であって、ごるふ自体の問題では・・・」 嫌い「わかった、わかった。次だ。その8、1人でプレーできない、これは?」 好き「ごるふ場を予約するのに3人ないし4人の仲間が必要だ、と云うことだね。これも誤解しているけど、必ずしもそうでは無いんだ」 嫌い「だって、1人じゃ回れないじゃん」 好き「確かにそうなんだけど、パブリックだったら1人でエントリーできるし、その時は誰か同じような少人数の組に入れてもらえるんだよ」 嫌い「見ず知らずの人間と回るのか。最初は下手糞だから格好悪いな」 好き「それは大丈夫。どんなごるふぁーも初心者の頃があったわけだから、最低限のルールとマナーさえ守れれば、そんなにイヤな顔はされない。最初に『初心者ですのでご迷惑をかけますが、どうかよろしく』と言っておけば、結構気を使ってくれるよ」 嫌い「でも、その同伴者がイヤな奴だったら?可能性はあるだろ?」 好き「確かに。でもその確率は低いと思う。なぜなら、嫌なヤツの比率は『各種競技会>メンバーコースのコンペ>メンバーコースのプライベート>パブリックコースのコンペ>パブリックコースのプライベート』という順番で低くなるんだ。例外はあるし、あくまで私の独断だけどね。だから、パブリックに1人や2人で来ている人はその『ヤな奴率』は低いはずだよ」 嫌い「ふーん、そんなものなのか。でも、そんな事書いて大丈夫か?他人事ながら心配になるぞ。しかし、それでもイヤな奴に当たったら?」 好き「その時はとにかく自分のごるふに徹することだね。精神修養と思って、もくもくと球を打ち続ける。喧嘩をしたりしても不快になるだけだし、注意してもそういう輩は逆ギレするしね。あと、もう一つだけ注意すべき事はその嫌なヤツが『教え魔』だった時、その人のアドバイスは絶対に聞かないこと! これは肝に銘じておいたほうがいい。」 嫌い「どうして?只で教えてくれるんだから良いじゃない。それに、親切に教えてくれるのを無視するのは大変だぜ」」 好き「詳しくはここを読んでくれれば判るけど、教え魔は教わる人の為ではなく、自己満足の為だけに教えるからさ。だから教えた結果がどうなろうと知ったこっちゃなし。人のスウィングを無茶苦茶にしておきながら、上手くならない人を『教わり方が悪い、才能が無い』とこき下ろし、もし上手くなった場合『あいつは俺が教えたから上手くなった』とか吹聴する。極めて自己中心的な人間が多いからさ」 嫌い「何か恨みがあるような書き方だな。じゃあ対処の方法を教えてくれよ」 好き「言われるたびに『はい、はい』と聞いておいて聞き流していると、そのうち何も言わなくなるよ。あるいは『レッスンを受けている先生に他人のいう事は聞くなと言われていますので・・』とでも言っておくのが良いんじゃないかな」 嫌い「うーん、そんな話を聞いていると1人で行くのがやっぱり面倒になってきたな」 好き「先に仲間を作る事も可能だよ。スクールに入ったりすればレッスン仲間ができるはずだし、同僚や知り合い、親戚などにもごるふをする人がいると思う。君がごるふを始める、なんて相談すると、きっと親身になって世話を焼いてくれるはずだぜ。 嫌い「確かに、ありがた迷惑と言って良いぐらい世話を焼いてくれたな、私をゴルフに誘った上司も」 好き「また、最近はネットで『ごるふ仲間募集』なんてサイトや団体も増えてきているしね。後は家族を巻き込むのも一つの手だ。費用が全て倍になると云うデメリットを除けば一番良い方法かもね」 嫌い「なるほど。色々と手があるものだな。でも、社交的な奴はともかくそうで無い奴は大変だな」 好き「気のおけない仲間とごるふをするのが一番楽しいけれど、1人でストイックに上達を目指すのも悪くない。それだけでも十分楽しいし、そこから競技ごるふを目指すというのも一つのベクトルだよ。それなら別に社交的でなくても良いし」 嫌い「そこまでまだ考えられないよ。じゃあ、次に行こう。ゴルフ場建設は自然破壊である。これについては?」 好き「じゃあ逆に聞くけど、具体的にどれくらい自然破壊になっているのか証明できるかい?」 嫌い「そんな事できないし、するつもりも無いね。でも、自然破壊なのは明らかだ。山の自然林を切り倒し、整地し、大幅に生態系を変え、農薬や除草剤を撒き散らしているじゃないか。それのどこが自然破壊じゃない、と云うんだい」 好き「物事はもっと広い視点で見て欲しいね。確かに、無茶な開発や、地元の意思と自然のバランスを無視したごるふ場建設は無いとは言わない。特にバブル期、作れば確実に儲かったわけだから、欲に目がくらんだ馬鹿な政治家や土建屋がごるふ場を建設しまくった。でも、それはごるふ自体が悪いのか?悪いのは、ごるふ(場)を利用して金儲けをたくらむ政治家や土建屋じゃないのかい?それが証拠に、そうやって作られた投機対象のバブリーなごるふ場は一般ごるふぁーとは縁が無いままどんどんつぶれている」 嫌い「でも、結果的には山を切り開いているじゃないか。一般ゴルファーと縁が無いといっても、我々から見ればゴルファーはゴルファーだ。一緒だよ。」 好き「そういう一部のごるふぁーを見て全体を判断してほしくないな。それこそ木を見て森を見ず、だよ。また、そうやって自然破壊しているのはごるふ場だけかい?原生林を分断するように走る不必要な高速道路に有料道路。人より狸の数の方が圧倒的に多い場所にある新幹線の駅。地元のセンセーとゼネコンが上前をはねる為だけに作って、殆ど利用されずに朽ちていく地方空港。何千年もかけて育ったサンゴ礁を破壊する海洋開発、軍事基地。規模や額で言えば、こちらの方が大きな問題じゃないの?」 嫌い「それらも確かに問題だけど、だからといってゴルフ場開発が許されることにはならないだろ?」 好き「少なくともごるふ場には緑がある。それに、最初に君が『原生林を破壊して』と言ったけど、日本に本当の意味での原生林はどれだけあるか知っているかい?正確な数字は私も知らないけれど、驚くほど少なかったはずだよ。多くの山林は何らかの形で人の手が入ったり植林されたいわば人工的な森林で、しかもそういうところはある程度人間によって管理してやらないと朽ちていく場合もあるんだ。そういう意味では、ごるふ場建設は『自然破壊』ではなく『自然管理』と云う側面も持っているんだよ」 嫌い「本当か?眉唾の話だな。具体的な数字が出ていないところなど、だまされている気がしないでも無いぜ」 好き「残念ながら本当に知らないんだ(読者の方へ。このあたり、具体的な数字などご存知の方は是非教えてください)。大事なことは、感情的に思いつきで何でもかんでも反対を唱えて欲しく無いという事だな。例えば、一時期はやった割り箸のリサイクル。いくらでも再生する木材の、しかもクズ材からできた割り箸を、高価で限りある化石燃料を使って集め、加工し、紙か何かを作る。資源の無駄使い以外の何者でもない。感情的リサイクルの代表だ」 嫌い「ふーん。まあ、その話がもし事実なら、多少の存在意義を認めてやっても良いな。でも、農薬や除草剤はどうなんだい?一時期、問題になったじゃないか」 好き「確かに多少の農薬や除草剤は使用しているけれど、本当に必要なのはグリーンぐらいでそんなにたくさん使っていないはずだよ。それに、畑や田んぼでは農薬を使ってよくて、ごるふ場はいけない、というのはどう考えても納得いかない。だって、ごるふ場の総面積と畑や田んぼの総面積を比べてごらんよ。国内で消費される農薬のうち、ごるふ場で利用されるのはおそらく0.1%未満だと思うよ。その0.1%が大問題で、99.9%はノーチェックと云うのもおかしな話だろ。これも、一部の例外を全てのごるふ場に当てはめたり、思い付きで『ごるふ場=綺麗な芝生=農薬垂れ流しに違いない』と無責任な感情的反対論から出てきた話に過ぎないと思うんだ。その証拠に、ごるふ場にはミミズやバッタ、ナメクジなどがたくさんいるんだよ。これだけでも、農地とごるふ場の違いが判ってくれるんじゃないかな」 嫌い「・・・と思う、と云う結びが多いので今ひとつ説得力にかける話だけど、まあ良いだろう。」 好き「ごるふ場がもともとあった山手が、宅地としてどんどん開発された。その結果、その一帯は宅地がごるふ場を囲うような形になった。これが、全て宅地になるのと、家の裏にごるふ場が見えるのと、どちらが良い?そういう例もあるんだ、そう考えると、ごるふ場は『最後の自然の砦』と云う見方もできるだろ?」 嫌い「特殊例で煙に巻こうと言うのはアンフェアだな。でも、言いたいことはまあ判る。」 好き「さあ、そろそろ結論と行こう。議論する我々は退屈しなくても、これだけの話、読まされる側はきっとうんざりしているはずだぜ。どうだい?ごるふは嫌いかい?」 嫌い「嫌いじゃないけど、好きでもない」 好き「ここまでの話、納得できなかったのか?」 嫌い「そうじゃない。でも・・・」 好き「でも?」 嫌い「素直に納得したくない。それに、まだまだ引っかかっている部分もあるし」 好き「判った。じゃあ、引っかかっている部分はフェアウェイを歩きながら話をしようぜ」 嫌い「お、俺をゴルフに誘ってるのか?ゴルフ嫌いの、この俺を!?」 好き「そうさ。是非一緒にプレーしてくれないかい?」 嫌い「・・・・・・・考えとく」 (終わり。最後までお付き合い頂き、多謝。) |
編者注:この対談は、実はごるふをいくら誘ってもしない友人たちに当てたメッセージ
なのである。でも、やっぱりちょっと独りよがりで強引なのである。