セルフプレーの回り方
(2001/9/1〜9/4)


 
 昨日の日記、私は最後にこう書いた。

 最近はセルフプレーが増えてきた。セルフにはセルフの回り方があるのである。それを理解できないような人は、どうかキャディフィを払ってお大尽ごるふに徹していただきたいと思う今日この頃であった。

 これはいかにも偉そうである。ただの口先男である。単なる文句言いである。そこで、今日は正しいセルフプレーの回り方を書いてみたい。ただし、これから書く事は一般ごるふぁーにとってはごく当たり前の事である。従って、「こんな当たり前のことを長々と。退屈だぞ!」と思った方はご自分を賢明なごるふぁーであると考えていただいて差し支えないだろう。

 逆に、「ふーん、なるほど」と思った方は今後のセルフプレーの参考にして頂ければ幸いである(やっぱり書き方が偉そうだなあ。ごめんなさい。そんなつもりは無いのだが、やっぱり長男だからこういう書き方になってしまうのかもしれない。ちなみに、長男に生まれた事は私のせいではないので、その点はご容赦頂きたい)。では、早速本題に入ろう。

 A、セルフプレーに必要なもの

  1、タオル2枚・・・1枚は綺麗な物を拭く為、もう1枚はボール、クラブなど汚い物を拭く為のもの。ちなみに、私は綺麗タオルはハンカチ程度の大きさのものでカートに乗せ、汚いタオルはキャディバッグにくくりつけてある普通の大きさのタオルである。雨の予報の時は、これにもう一枚追加する。

  2、雨具・・・レインウェア、替えの手袋、替えの靴下、傘は例え降水確率が0%であっても用意しておきたい。特にレインウェアと手袋はいつもキャディバッグに入れておきたい。

  3、砂袋とスコップ・・・ごるふぁーが楽しくプレーできるのは芝が綺麗に生えているからこそである。グリーンキーパー、そして芝そのものに対する感謝の気持ちがあれば、そんなに抵抗無く目土ができると思う。それに、セルフで目土をしながら回るのは、逆にカッコイイと私は思うのだが。

  4、グリーンフォーク・・・これも、当たり前というよりも、しないよりした方が絶対カッコイイと思う。面倒な気もするが、慣れの問題である。それに、私のようにパーオン率が3割だったら1ラウンドで5-6回しかディボットを直す機会はないのだ。それほど時間が掛かるわけでもない。

  5、そこそこの腕と迷惑をかけないという気持ち・・・慣れた人と一緒にラウンドする場合はともかく、初心者同士やラウンド経験の浅い人ばかりでセルフのラウンドをする時は、余程注意しなければ後続組に迷惑をかける可能性が高い。一説によると、ハンデ36、即ち1ラウンド108を切れるようにならないとラウンドしていはいけないのが暗黙のルールである、と主張する人もいる。進行を気にするあまり楽しめないと言うのは本末転倒だが、プレー以外の部分はできるだけ速やかに行うべきである。後ろからプレーを見ていれば、そういう気持ちがあるか無いかは一目瞭然である。

 しつこいようだが、賢明な読者にとっては退屈極まりない日記である。もうしばらくご辛抱頂きたい。明日はいよいよセルフで実際にラウンドするときの注意点である。


 さて、セルフで実際にラウンドするときの注意点である。見落としがちな点も含めて、無い知恵を絞って考えてみた。気になる点、間違っている点、ルールやマナー違反の部分がもしあればご一報頂きたい。以下は、初めてのコースを初対面の同伴競技者と、電導(自走)乗用カートでラウンドする際のモデルケースである。もちろん、ドライバーの飛距離や腕前によって回り方には差が出てくるが、基本は同じである。

 B、セルフプレーの流れ

  1、ラウンド前・・・ティーオフの15分前、最低でも10分前にはティグラウンドで静かに待機する。ここで3分前とかにあたふたと現れれば、同伴者からは「ごるふぁー失格リーチ」が掛かるといっても過言ではない。名前を言い、挨拶を済ませる。この第一印象で人格は8割方相手に判ってしまう。下手でも恐縮する必要は無いが、腕に自信が無い時は「今日はご迷惑をおかけします」と言っておくと気が楽である。

  2、ティーオフ・・・オナーはティーアップした状態で待機するのが望ましい。先行組が自分の過去の最大飛距離より先へ行くまでショットをしない事。同伴者がたとえ「もう大丈夫ですよ」と言っても、打ち込んだ場合100%自分のせいである。その人が代わりに謝りに行ってくれることは絶対にないのだ。

 どんな場合でも、先行組への打ち込みだけは絶対にしてはならない(業務上過失致死未遂である)。万が一してしまったら、すぐに先行組まで走って行ってお詫びしなければいけない(後から、しかもカートに乗りながら、遠くの先行組に大声で「すんませーん!」と言うのは謝る態度ではない)。

  3、ティーグラウンド〜2打目地点まで・・・打ち終わったら、ドライバーを静かにしまい、2打目で使うであろうクラブを2〜3本持ってカートで待機する。もちろん、ティーグラウンド横で同伴者のティーショットを見てあげてもかまわない。セルフプレーでは、余裕があれば、みんながみんなのボールの行方を追うべきだろう。2つの目より8つの目だ。

 ナイスショットかどうかわからない場合は「ナイスショット!」の掛け声は言わない方が無難である。明らかなミスショットには沈黙で応えるのがマナーである。間違っても「今のはヘッドアップでしたね」などと技術的なことを言ってはいけない(貴方がプロである場合を除く)。

 さて、第2打地点に到着。自分が最初に打つなら、ボールまで早足で歩こう。そうでない場合で、ボールが大きくフェアウェイの左右に散らばっている時に限り、後ろから打つ人(Aさんとする)の邪魔にならない範囲で自分のボールの近くへ行っておく(下図)と次にあわてなくて済む。ただし、その場合後ろから打つ人から目を離してはいけない。世の中にはボールを左右60度ぐらい、平気で打つ人がいるからだ(この部分は、ボールの前へ出てはいけないという原則に反する。したがって安全かどうか自分で判断できないと思ったら、後ろで待つようにしてください。何かあっても責任は取りません)。


 もし、同伴者の誰かのボールが見つからない時は、自分のボールが(もし前方にあったとしても)先に打ったほうが良いかそうでないかを判断した上で、一緒に探すのがマナーであろう。また、もし自分のボールがロストになりそうだったら、状況を判断した上で潔く諦めるのがスムースなセルフプレーの原則である(それの方がカッコイイし、こういうところで性格が如実に表れるのだ)。

 また、グリーンが空き、Aさんがショットするまでにライの確認、クラブ選択、素振りは済ませておこう。自分が打つ段階になって初めて方向を確認して、素振りをして・・・というのはマナー違反である。打てる状態になればすみやかに打つ。それがセルフプレーの大原則である。打ち終わった後、上の図のようにカートから遠ければそのままグリーン方向へ歩いて行く。無理にカートに戻る必要はない。

 明日はグリーン周りについて。


 あまり当たり前のことばかりしたり顔で偉そうに解説していると、自分が偽善者かこれ見よがしに正論を吐く典型的な嫌なヤツみたいに思えてくるが、当たらずとも遠からずなので弁解はしない。さてセルフプレーの回り方第3回、グリーン周り編からである。

  4、グリーン周り・・・いつもパーオンする上級者は別だが、私のようなヘボごるふぁーは当然グリーン周りからのアプローチが残る。ここでも、ライを見てクラブを決めるような愚を犯してはならない。自分がいつも使うアプローチ用のクラブを全て持って行く。もちろん、パターも。当然、自分だけグリーンに乗った時など余裕がある時は、全員のパターを持っていくのは貴方の役割であるが、全員がオンしたら一人悠然とボールマークを治す(カッコイイ!)のも忘れてはならない。

 グリーン周りでは自分のボールばかりに気を取られがちだが、同伴者のボールがどこにあるのかも気を配り、同伴者が打つときはできるだけ注意して見ておく。グリーンの反対側のバンカーからホームランやトップで自分のほうに飛んでくる事もあるし、逆にラインの参考になるかもしれない。

 また、同伴者のアプローチが「ナイスアプローチ」かそうでないかはピンまでの近さではなく打った人の顔を見て判断した方が無難かもしれない。5mに寄せて満足な人も、1mに寄せても不満足な人もいるのだ。何でもかんでもナイスナイスという人がいるが、無神経と言わざるを得ない。「ナイスパー」も同じ。世の中には「ナイスパー」と言われて怒るような人もいるのだ(ここまでくるとあんまり一緒に回りたくないけどね)。


  5、グリーン上・・・グリーン上は、その人が無神経かそうでないか、ゴルフに対して真摯かどうかが一番わかってしまう場所である。ボールマークを見つけたら直す。他人のラインを絶対に踏んではいけない。跨(また)ぐのもマナー違反。どんなに遠回りになっても迂回するべき。人のラインの延長線上や真後ろに立つのもマナー違反。他人のパッティング中に動くのもマナー違反。

 グリーンを走ったり、必要以上に歩き回ったり、長い時間をかけてラインを読むのもご法度である。他人がプレーしている間、ラインを読む時間は十分あるのだ。真剣に、少々時間をかけてラインを読んで良いのはパーパットまでであると私は思っている。また、「ホールから遠い人からパットする」という原則も、無視した方が進行上スムースなら一言いってから打ってもかまわないと思う。

 他人のショートやオーバーしたパットに「強い!」「弱い!」「短い!」などと改めて追い討ちをかける必要は全くない。思わず言ってしまいがちな言葉だが、好きで強く(弱く)打っているわけではないのだ。何度も言われたら殺意さえ抱く。沈黙は金。

 一番ピンに近い人が、マークした後ピンを抜く(あるいは持つ)。抜いたピンを放り投げない事。極めて粗暴で野蛮な行為に映る。できればエッジまで持って行って、そっと置く。この時、アプローチに使ったクラブを傍においておくと忘れにくい。ただ、この時ピンの上に交差するように自分のクラブを置く人もいるが、ピンを戻すのは自分とは限らないので逆にその人に迷惑である。アプローチで使ったクラブを置く一番良い所は、カートの近くである(下図)。私は、同伴者がパットをしている間に、わざわざカートの近くまで運んでおく事もあるぐらいである(過去に何度もクラブを置き忘れて懲りたと言う事である)。逆に、グリーン手前に置くのは最低。理由は言うまでもない。

 ああ、何度読み返しても陳腐である。でももう1日続くのであった。トホホ。


 もう1日だけお付き合いを。

  6、ホールアウト〜次のホール・・・全員ホールアウトしたら、すみやかにカートに戻り、すみやかにグリーン周辺から立ち去る。私は小心者なのでグリーンから離れる時はわざと小走りにカートまで急ぐ。打ち込まれたら不愉快であるし、何より危険である。グリーン周りにまだ人がいるにも関わらずセカンドショットを打ってくる馬鹿は意外と多いが、グリーン上で立ち止まってスコアを書いている馬鹿もそれ以上に多いのでこの勝負は引き分けだろう。カートに乗って、次のホールのティーグラウンドに着いてからでもスコア記入は間に合う。

 スコア申告のタイミングだが、私は自分のボールをホールから拾い上げる時に宣言する。宣言しない人は多いが、オナーの絡みがあるのでそれもマナー違反であると私は思う。もし言いたくなければ、スタート前に「私のスコアは気にしないで下さい。いつも最後に打ちますので(スコアはつけませんので)」と言うべきだろう。逆に、片手シングルクラスの上級者で同伴者のラウンドを全く無視し、もちろんスコアも付けずに回り、自動的に勝手にオナーをするようなヤツもいるが、もし上手くなってもこういうヤツには死んでもなりたくないと心の底から思う。

 たまたま自分がパーなど取ってしまったとき、そして同伴者が大叩きしてしまった時は「スコアはいくつでしたか?」とこちらから聞きにくいし、「4です」とわざわざ宣言するのも嫌味っぽいので結構気を使う。従って、悪いスコアだった時ほど自分からはっきり申告すべきだろう。相手に対する思いやりである。

 セルフプレーでは何が起こっても全て自分の責任である。また、楽しく回るのも不愉快に回るのも自分の努力次第である。確かに不愉快な輩は多いが、こちらがしっかりマナーをエチケットを守って回っていれば、ごるふの神様はきっとご褒美をくれると信じて怒りを抑えるのだ。

 ご褒美、くれますよね?神様!・・・・・神「おまえにはやらん


編者注:この話題、どこかでこういうのを読んだ記憶があるなあ・・・と思っていたのだが、
最近「ピーターたちのゴルフマナー」という本を再読して殆ど同じ事が載っている
のに気づいた。でも、ま、まねしたわけではありません。わ、忘れてただけだってば!