グアムごるふ三昧
(2001/11/6〜11/8)



 そうなのである。グアムへ行って来たのである。2泊3日という勿体ないスケジュールではあったが、仕事の名目でごるふ仕事のついでにちょっとごるふをしようという、超過密欲張りスケジュールなのであった。メンバーは、私、妻、同業者の先輩Kさん(男性)、そして同じく同業者のFさん(女性)の4人である。ちなみに、ごるふをするのは私と妻だけで、KさんとFさんはその間別行動をするという、大人の旅(良く意味がわからない)なのだ。

11/6(初日)

 朝5時、車で関空へ。クラブは持っていこうかどうしようか迷ったが、結局持って行く事にした。と言うのも、私ほどの腕になると貸しクラブなんか使えない、のではなく、逆に良いショットが出たりして、自分のクラブ選びの目に根本的な疑問を感じたりして落ち込む可能性があるのでそれを避けるためだというのは今考えた理由で、やっぱり自分のクラブを使いたいという理由も実は希薄で、本当の所は貸しクラブ代45ドルかける2人かける2ラウンドの2万円を浮かそうと云う情けない理由からである。

 関空へは滞りなく着き、滞りなくKさんとFさんに合流し、滞りなくJALwaysのリゾッチャに乗り込む。グアム行きの747-300は全席エコノミーなのだが、前方の50席ほどはビジネスクラスの広い座席のままになっていて、チェックインの際にそこ(一番前の席)をリクエストできたため快適な旅となった。テロの影響で座席は半分ほどしか埋まっていない。アラブ系とおぼしき人種は乗っていなかった。一安心である。

 3時間で常夏のグアムに到着。ホテルはインターネットで直接リクエストしたアストン・ホリデイ・プラザである。一応ホテルロード沿いにあり、2泊で2人で92ドルという破格の安さであったが、窓から見える景色は隣のホテルの汚いごみ置き場であり、風呂場ではシャワーに切り替えてもお湯の半分は下の蛇口から出てくるし、ショッピングセンター等へ行く巡回バスはあまり回ってこない(炎天下のバス停で30分も待つ羽目に陥った)。やはり安いホテルにはそれなりの弱点があるものである。しかしごるふ仕事が出来ればそれでいいのだ。

 初日は仕事を済ませ、その後DFS(免税店)へ行く。ごるふショップがあるので楽しみにしていたが、円安の影響もありボール、クラブ、ウェア、その全てが日本より高い。正確には覚えていないがオデッセイのホワイトホットが125ドル、キャロウェイのRule35が1個4ドルである。このまま行けばこの店のみならずグアム全体が倒産してしまうに違いない。とにかく、人が全然いないのだ。

 ディナーはDFSの向かいのサムチョイで。いつもの事ながらその量に辟易とするが「らしい」味を堪能。またこれで腹の脂肪が・・・

 大して盛り上がらずに明日に続く。あすはいよいよ海越えのショートホールが名物のマンギラオGCである。

11/7(2日目)


名物のレストランから眺めたインコース後半4ホール

 さて、マンギラオGCである。グアムといえば出歩いてお買い物よりごるふである。海越えの12番ショートホールはあまりに有名である。グアムへ行ったら、ごるふぁーはここを回らないとバチが当たる、というコースである。とにかく、であるったらである、である。(「である」は何個あるか数えよ)

 朝5時40分ホテルピックアップ。他のホテルから、多くの日本人(15人ぐらい)がこの辺鄙な(失礼!)ホテル前に集合している。最初はこのホテルに全員泊まっていたのかと思ったのだが、帰りはハイアットやヒルトンを回って何人かづつ降ろしていたので、マンギラオのウエブサイトで早めに予約したため私の滞在したホテルのロビーで待ち合わせになったようだ(推測であるが)。ラッキー!

 約40分、まだ暗い田舎道をバスは走る。マンギラオGCはホテルが密集するタモン湾の反対側にあるので、山を越えてグアム島を縦断するような感じになるのだ。走るにつれ、空が明るくなってくる。いい気分だ。

 ようやく到着。プロショップで受付。と、受付のねーちゃんが「380どるでーす」と言う。1人150ドルで何でそんな計算になるんだ?「ほわい380どる?あいしんく300どる!」と言うとねーちゃんが「おーつでいいずういーくでい。おーけー、300どる」だと。お前の頭は週休二日か?間違ったら謝れよ。まあ、本当に間違えたんだろうけど、吹っかけたら日本人は言い値で払うから高く言ってやれという感触がちょっとあったような気もする。このあたりも、ハワイと違って2流のリゾート地と言う感じがする。グアムへ来てから、観光客を馬鹿にしているような接客態度を何度か感じた(私が馬鹿にされているだけかもしれないが)。

 スタートは7時14分。エントリー数が少ないので7時頃に「いつでもどうぞ」と声がかかる。早速1番ティーへ。私の一番好きな瞬間がやってきた。朝靄に煙る緑の絨毯。朝露が日の光を浴びてきらきらと輝く。はるかフェアウェイを渡ってくる涼しい風。遠くから聞こえてくる朝独特のノイズ。天国を感じる一瞬だ。

 こうなると、もう成績なんてどうでも良くなる。1つのキャディバッグに私と妻の2人分のクラブを詰め込むためにアイアンを間引いて持って行ったのだが何故かその間引いたクラブの残り距離ばっかり残ってオーバーしたりショートしたりばっかりしようが、ティフトン芝のグリーンに泣かされようが(50cmを何度も外した)、アイアンをトップしようが、ドライバーをOBしようが100近く叩こうがどうでも良いのだ。今日ばっかりは楽しむ事が第一義なのだ。だから成績はノーカウント!

 さて、箱庭のようなアウトを回り、いよいよ海沿いのインコースである。名物ホールの海越えショート(164Y)は、やや左へ引っ掛けてオーバーしてOBとなってしまった。妻はのボールは2回打って2回とも海の藻屑と化した(本人が海の藻屑とならなかったのは残念幸いであった)。しかし、そこよりも終盤の4ホールからの景色、海の色(上の写真)が絶品で、再び天国にいる気分を味わった(熱射病で頭が煮えて天国が見えたのかもしれない)。

 ホテルへ帰り、明日回るコース(グアムインターナショナルCC)に電話を入れる。さすがに空いていて、朝一番の予約を入れる事ができた。昼からは買い物。Kマートで雑貨を、アウトレットでスニーカーを買う。アウトレットにもごるふショップがあったのだが、やはり値段は日本並み。キャロウェイのRule35ロゴ入りのキャップのみを買う(22ドル)。夕食はホテルの右斜め向かいのタイ料理屋へ。4人で100ドル前後。安くて旨かった。また明日は5時起きである。とっとと寝る。

11/8(3日目)

 今日が最終日。午後3時30分には飛行機に搭乗である。チェックアウトが12時である。綱渡り的な強行スケジュールだがまあ何とかなるだろう。

 朝5時40分ピックアップ。今日は小型のバンで、8人も乗ればいっぱいになってしまう。昨日のマンギラオは40人ほど乗れるバスだったからそういう所からもごるふ場の規模がうかがわれる。しかし、今日はホテルから近いごるふ場でないと飛行機に間に合わないので選択の余地は無かった。

 我々の泊まったホテルを出て、ヒルトンホテルへ向かう。ここで、6人乗り込んでくる。皆バッグ持参である。年齢は50歳前後か。我々のように30代のごるふぁーはいない。リゾート地では新婚さんがアベックで回ったりする事も多いが、さすがに戦時下の今は殆どいないのだろう。

 ヒルトンからUターンしてごるふ場へ。約15分でグアムインターナショナルカントリークラブに到着する。ここは岡本綾子がコースアドバイザーでいくつもの池が特徴の難コースである(ところで、コースアドバイザーって、何?設計者は別にいる様だし)。ここでもプロショップを覗くが、食指をそそられるものは無い。コースのロゴが入ったボールだけ記念に買う。受付で1人120ドルを払い、帰りのタクシーを確認しておく。その後、スタートまで30分あるのでレストランへ入ると何も云わずにコーヒーを入れてくれた。妻が「これ、サービスかな?」と聞くが、はらたいらに200点かけるより確実に有料だと私は思った(事実、2杯で5ドルという高いコーヒーだったが、ウエイトレスのおねーちゃんが美人でナイスバディだったので許す)。

 さて、スタートである。昨日と違い、フェアウェイは狭めで、マウンドだらけである。コース周囲は椰子の林になっていて、見通しが悪い。距離はそれほど無い(青ティーからでも6300ヤードちょっと)ものの、ドライバーの正確さが物を言うコースだ。しかし、昨日と違って体が全然回らない。情けない(今になって考えれば、柔軟体操も何もせずいきなり回りだしたせいと思い当たった)。チョロ、ダフリの連続である。出だし、いきなり5オン2パットのトリプルスタートである。今日もスコアを気にせず楽しく回る事を決心する。

 3番ホールを過ぎたあたりで、猛烈なシャワーに見舞われる。カートから身動きできないほどだ。しかし、5分もしないうちに止む。大きな虹がかかる。パステルカラーではなく、アクリル絵の具で書いたようなヴィヴィッドな色。熱帯である。しばし見惚れる。成績なんて気にしないわ。

 しかし、コースが狭い。フェアウェイの幅が30Yぐらいしか無いのではないか?おまけに、カート道がフェアウェイやラフにいくつも点在するマウンドの外側を走っていたり、2つあるフェアウェイの一番外側しか道が無かったりするため、打った後に山登り、50Yの横歩き、30Y逆戻りしてカートに乗る、という繰り返しで疲れる事おびただしい。絶対に設計者はごるふをした事が無いサディストと確信した。

 さらに追い討ちをかけるように何度かシャワーが襲う。しかも、雨が降るたびに湿度が限りなく上がっていく。カートに乗ってじっとしていても眼鏡が曇る。熱帯雨林でごるふをしているようだ。

 またグリーンがまさにポテトチップスそのものである。あるホールなど、1mはあろうかと言う2段グリーンで、驚きを通り越してあきれてしまった。でも、もっとあきれたのはそのグリーンの上の段から打った、逆目のパッティングが段を下って2mまでしか転がらない芝目の強さである。昨日のマンギラオよりもさらに芝目のきついティフトンに、編者は41パットもしてしまった。強く打てば全然曲がらない、弱く打てば異様に曲がる、程々のスピードで打てばカップの直前の球足が落ちた所で急激に曲がる。逆目では勾配よりも芝目の方が100倍も重要だし、順目では結構早い。こんな芝は反則である。

 久々の100叩きであった。犬に噛まれたと思って忘れよう

 クラブハウスに帰ってくると、11時過ぎ。3時間半で回る予定だったのだが、一番スタートではなかったので仕方が無い。早速、タクシーを呼んでもらう。グアムのタクシーは「ぼる」ことが多いらしいので、あらかじめ目的地までの目安を受付等で聞いておくと良い。ちなみに、我々の場合はごるふ場からうちのホテル(ホテルロードの真ん中あたりにある)まで26ドルだった。ごるふバッグを運んでくれるわけだから、チップを含めて30ドル渡した。

 急いでシャワーを浴び、チェックアウト。時間より15分ぐらいオーバーしたが、受付で「ちょっとオーバーしそうだけどいいですか?」と言っておけば否と言うホテルは無いだろう。

 空港に着くと、機関銃をもった兵隊さんがうろうろしている。話しかけると気さくに話をしてくれて、そのうち機関銃をちょっと撃たしてくれる、なんて事は無いので写真を撮りたかったり話をしたかったら必ず前もって断ろう。いきなり機関銃を触りに行ったりしないようにした方が良いと思う。

 グアムの空港では、チェックイン後は喫煙所が無い。その代わり、喫煙可能なバー(ソフトドリンクもあり)が二箇所ある(恐るべき商魂)。4ドルと言う高いコーヒーを頼み、出発まで30分時間をつぶす。そこで、20代の若者がバーのおねーちゃんに何やら話しかけている。流暢な日本語で。おねーちゃんは片言の日本語はわかるようだが、なかなか意思の疎通ができない。どうやら他所で買ってきた飲み物を持って中へ入りたい、という風な事を言っているようだが、それくらいの英語、しゃべろうと努力くらいしろよ、英語圏に旅行してるんだから。全部中学英語でしゃべれるぞ。とどうでもいい事で腹を立てながら帰ってきたのである。ちなみに、帰りも一番前のビジネスシートでぐっすり寝られた。

 もっと面白く書けたはずなのに、ただの旅行記になってしまった。時差ボケに違いない。明日の日記からはまたもと通りさらにつまらない日常のあれこれに戻るのでそのつもりでいて欲しい。


編者注:過ぎてしまえば楽しい事ばかり思い出す。初日のマンギラオより、2日目のGICCでのラウンド
の方が何故か記憶に残り、しかも懐かしい。ともあれ、リゾート地でのごるふは本当に楽しい。
嗚呼、今度海外へいけるのはいつの日か・・・