初めての本格的なレッスン
(2002/4/2〜4/5)


 

1、肩編


 さて、意を決して本格的にH香里GCのTプロに習うことにしたわけだが、先日とうとう初めてのレッスンを受けてきた。そして、予想通り驚くべき事実を告げられる事になったのであった。以下はその時の再現である。

T先生(以下T)「ちょっと振ってみて。」

編者(以下H)「はい(と言いつつ、自信満々でスウィングする)。」

T「うーん、肩が全然回ってないなあ。」

H「がーん!(と実際に言ったわけではない。心理描写である) えっ、自分では回しているつもりなんですが・・・」

T「自分で思っているだけで、実際は全然回っていない。」

H「がーん!(同上)」

T「バックスウィングでは、ここまで肩を持って来なアカンのだ(と言いながら、私の左肩を右つま先の上まで持って来る)。そして、右膝と腰は極力動かさないように。」

H「先生、このトップ、無茶苦茶きついんですけど・・・」

T「それだけ今まで楽をしてた、と言う事や。大丈夫、すぐに馴れる。」


何度かトップの位置を作る編者。その度に、肩、腰、グリップ、右ひじ、右ひざを直される。

T「肩は回転させるつもりだと下に落ちてしまうから、右肩の上まで地面と平行移動させるつもりで持って来るように。」

H「え、それで良いんですか?すごくスェーしているような気がするんですが・・・」

T「大丈夫。自分で考えているほどスェーしていないよ。それに、平行移動させるつもりで肩を右側へ持ってこないと、左肩が下がり、トップで左体重、インパクトで右体重のリバースピボットになってしまう。」

H「なるほど・・・」

さて、この先一体どうなってしまうのか!


2、腰編

 レッスンは始まったばかりである。しかし、私の足元にはクェスチョンマークと目から落ちた鱗がすでに2〜3枚落ちている。

T「よし、じゃあ足を揃えて両膝をくっつけて、それでトップの位置を作ってみて。」

H「はい(言われたとおり、トップを作る。バランスを崩して右に倒れそうになる)。」

T「バランスが崩れるのは、肩と一緒に腰も右へ流れるからだよ。両膝をくっつけたまま、もっとお尻をあっち(飛球線方向)に向けなきゃいけない。」

H「(言われた通りやってみる) 先生、やっぱりすごく体がきついんですが・・・」

T「すぐ馴れる。」

何度かその姿勢のままトップ位置を作る。膝と腰、それに背中がぎしぎしと音を立てるようなトップである。

T「それだけきつい「ねじり」を入れないと、ボールは飛ばないんだ。逆を言えば、ねじりを入れてぎりぎりまで我慢したトップだから、後は左に腰を少し戻してやるだけで自然とクラブは降りて来るんだよ。

 確かに、ここまで捻じり上げてトップを作ると、意識しなくても勝手にヘッドが降りてくる。というか、
クラブが勝手に振れてしまうと云う感じである。手で引き降ろす必要性なんて全く感じられない。

T「じゃあ、そうして作ったトップから左足を一歩左(飛球線方向)に踏み出してごらん。」


 言われたとおりにすると、摩訶不思議、意識しないのにスウィングしてしまう。しかも、ヘッドが走っているのか、スウィングの音が今までと違って力強い。今までが「ヒュン」なら今回は「びビュン」と云う感じだ。

T「そうやって、体重移動のきっかけを与えるだけでクラブは振れてしまうものなんだ。」

H「なるほど・・・要はトップで捻じりのエネルギーを如何に溜めるか、と云うことですね。」

T「そう、そこで楽をすればボールは飛ばないし、つかまらない。」

 大変良い方向に私のスウィングが変わりつつある。確かなものを掴みつつあるという徴候がある。そして、何かすばらしいことが起こる予感がひしひしと感じられてくる。

3、ひざ編

(ちょっとレッスン編もだれてきたが、まだまだ全て書き終えていないのだ。もう少しお付き合い願いたい。今日のラウンド結果は明後日の日記で発表する予定である)


 いい予感を感じながら、何度か素振りを繰り返し、徐々に体が新しいトップを受け入れ出す。

T「じゃあ、実際に(球を)打ってみて。」

 さすがに素振りと実際では勝手が違うのか、中々上手く当たらない。

T「うーん、右足が外側に浮いてしまうな。内側、つまり親指側でしっかり踏ん張らないとダメだ。右膝ももっと我慢して(と言いながら、トップ位置で右足を内側に押し込む。」

H「先生、異様に膝と内腿がきついんですけど・・・」

T
「馴れる。」

 再び素振りで修正する。

T「右手はそんなに強く握らなくて宜しい(と言いながら右手の親指をシャフトのセンターから左へずらし、親指の腹ではなく右側面にグリップが当たるように持ち直させる)。」

H「先生、右手、こんなにゆるゆるで良いんですか?全然力が入らないんですが。」

T「右手は添えるだけで宜しい。左手の小指、薬指、中指だけしっかり握っていれば良い。」

 また素振りをする。確かに、この持ち方の方がヘッドが走るようだ。鱗が音を立ててぱらぱらと落ちる。すでに、足元は鱗で埋まりつつある。しかし、グリップを気にすると足元がおろそかになる。

T「左膝をアドレス位置から動かさないつもりでトップを作らなきゃいかん。その為には、アドレスで右足に60%ぐらい体重をかけて、右足親指に力を入れておくんだ。」

H「ここ(右足親指)を支点にクラブを上げていく感じですね。」

T「そう。」


 しかしきついものはきつい。10回ぐらい素振りをしているだけなのに、もう汗がにじみ出てきた。

T「じゃあ、またボールを打ってみて。」

 言われたとおりのトップを作ることだけを考えて、何球か打ってみる。5球目ぐらいで、芯に当たった感触があった。ボールの行方を見ると、今まで見たことのない、勢いのある、十分な高さのフェードボールが飛んでいくではないか。しかし、ボールは目標よりだいぶ右方向へ飛んでいく。

T「そう、その調子だ。まだ、スウィングの軌跡がアウトサイドインだから右へ行くんだよ。トップからグリップエンドをボールにぶつけるつもりで、思い切ってインサイドアウトに振ってごらん。」

 内心、トップの姿勢を作るだけ精一杯なのに、そんな事できるんだろうかと思う。しかし、たった10分ですごい変化である。プロの眼力のすごさにびっくりし、自分のへっぽこさに呆れながらもレッスンは続く。


4、完結編

  インサイドアウトを気にしながら何球か打っていくうちに、徐々に打球が真っ直ぐ飛ぶようになり、そしてついにきれいなドローが出るようになる。しかしチーピンに近い球も出る。少しでもインサイドアウトに振る意識が欠落すると、とたんに右へ曲がる。しかし、その場合も今までのこすり球とは違い、力強いフェードである。

T「もっと意識してインサイドアウトに振らなきゃあ球はつかまらないよ。」

 と言いながら、ホールの右上と左下に1個づつボールを置く。片山晋呉が行っている練習方法である。これだと、軌跡がアウトサイドインになれば置いたボールにぶつかってしまう。

T「これで、(上下に置いた)ボールにぶつけないように振ってごらん。」

 相当意識して、大げさなぐらいインサイドからおろしてやらないと綺麗なドローが出ない。しかし、不思議な事にこれだけ肩を回し、窮屈なトップにし、スウィングプレーンを意識して変えているにも関らず、ヘッドが上手くボールにヒットする確率は今までより高いのだ。それに、芯を食ったときの感触が抜群に良い。これが、ヘッドが走っているという感覚なんだろう。今までのスウィングは何だったんだ、と改めて思う。

T「うん、だいぶ肩が回ってきたな。あとはそのスウィングを固めていけば良いよ。」

H「はい、がんばります!」

 ・・・・と云うわけで、1回目のレッスンは終了した。どちらかと言えば、今までは我流の裏街道を歩いてきて、世を拗ねていたというか自信が無かったというか、ともかく自分自身に後ろめたい(と言えば大袈裟だが)気持ちがあったのだが、たった1回、20分のレッスンでそれらのコンプレックスが見事に反転した。我ながら、なんと単純でわかりやすい性格なのか。

 やはり、上達するためにはインサイドからしっかりボールを捕まえるスウィング、つまりドローボールが打てなければいけない、と云うことらしい。しかし、最も驚いたことはたった1回のレッスンで番手どおりの高い球が打てるようになったと云う事である。今回は7アイアンでずっと打っていたのだが、今までより2番手は球の上がり方が違う。ドローを打てるスウィングになった、と云うことももちろん驚いたが、球の高さの方が驚きであった。

 ともかく、大いなる正道、王道、メインストリートに一歩踏み出した私である。今度こそ、今度こそはキング・オブ・トホホゴルファーの称号を返上し、目標(マスターズ出場)に向かって邁進するのだ!


編者注:この時の驚きは今も1年前の事のように良く覚えている・・・って、まだ1年たってないってば。
しかし、読み返してみればこの1回目のレッスンで私の問題点全てが言いあらわされている。
やはり、良い師匠にめぐり合う事は大事だ。