トホホごるふぁーとは?/トホホごるふぁーの実態
(2002/2/24〜2/27)



トホホごるふぁーとは? 

 今は廃刊になったか名前が変わったかして無くなったあるコンピュータ雑誌に、「トホホ君」なる投稿ペ−ジ(詳細は忘れた)があった。これが無茶苦茶面白かったのだ。

 トホホ君とは、「(コンピュータをいじっているうちに)しなくていい事、してはいけない事をつい魔がさしてしてしまい、ハードディスクをぶっ壊したりデータを全てぶっ飛ばしたりしてしまう、しかもそういう行為を性懲りもなく何度も繰り返してしまうかわいそうな性格の人」である。

 例えば、「windowsフォルダの中のわけのわからない実行ファイルをつい何気なくダブルクリックしてしまい、コンピュータの挙動がおかしくなり、あわてて電源を落としたらそれが原因でハードディスクが昇天してしまった」とか、「買ったばかりのディスプレイのケーブルが刺さらないので深く考えず無理矢理押し込んだら実は上下が逆でピンを折ってしまい修理にン万円かかった」とか、とにかく共感の涙無しには読めない感動的投稿ページであった。まさに、「おお、我が同士よ!」と思わず駆け寄って抱きつきたくなるような感じである。

 つまり、何が言いたいかというと、この世には「トホホ君」というおもろうてやがて悲しき人たちが少なからず存在し、その人たちはこの世に笑いと話題とさわやかな一陣の風と優越感と共感と感動と、とにかく色々なものを我々に与えてくれるのだ。

 そして、そういう人たちはどんな世界にも、もちろんごるふの世界にも存在する。例えば、生まれて初めての1m弱のバーディーパットを迎え、そこから4パットしてダボにしてしまう、そんなトホホゴルファーの話を書こうかと思ったのだが、今日はトホホ君の説明だけで疲れてしまった。また明日と言う事で。

 ん? 私? トホホゴルファー協会の副理事をしております。


トホホごるふぁーの実態

 さて、実際に、この世にいるトホホごるふぁーの話に入ろう。あらかじめ断っておくが、昨日も書いたとおり「トホホごるふぁー」は決して嘲笑の対象ではない。むしろ、同情と共感(とわずかな微苦笑)を与えてくれる、みんなの人気者なのだ。以下の文章も、そういう好意的な視線から書いている、と思って読んでいただきたい。思えなくても思い込んでいただきたい。

なりきり君(トホホ度1)
 好きなプロごるふぁーに心頭するあまり、服装からクラブセッティング、スウィング、果ては立ち振る舞いやしゃべり方までそのプロをコピーしてしまうごるふぁー。似合っていればまだ見られるのだが、5頭身で短足なのにタイガーの真似をする、というのは見ていてもはや微笑ましい。平均スコアは95だが自分では本来の実力なら85以下で回れると思っている。


ウンチク君(トホホ度2)
 夏坂健氏のエッセイでごるふのウンチクに目覚め、殆ど全ての著書を揃えている。もともと話をする事が大好きで、頭も悪くない。しかし、話がくどすぎて周りの人たちから少し煙たがられている事に本人は気づいていない。コースでの昼食時には必ずビールを注文し、午後のラウンドはスコアを崩すことが多い。しかし、スコアにはあまりこだわらない(実際の所はわからないが)。平均的な像としては年の頃なら50歳前後、中間管理職、メガネをかけている。アプローチとパットは結構上手く、悪くても90台前半で回ってくる。


理屈君(トホホ度3)
 とにかく理論については誰よりも勉強し、事実良く知っている。レッドベターの信奉者だったが、数年前ブッチハーモンに乗り換え、現在は江連氏の理論を絶対的なものと考えている。ゴルフ雑誌のレッスン記事をスクラップしていたりする。自分のスウィングについては弱点や改善すべき点を完璧に把握しているつもりだが、実はちょっとずれていたりする。また。もともと練習嫌いだからいつまでたっても上達しない。持ち球はチョロである。ミスショットの後、何故いまのミスショットが出たのかを聞かれもしないのに解説してくれる。「右肩が突っ込んで・・・」などと言う。平均スコアは100-110。口ぐせは「おかしい。何故だ。」である。


クラブ君(トホホ度3)
 ことクラブに関してはクラフトマン顔負けの知識を有し、奥さんの白い目にさらされながら自宅の一部に「工房」を作ってしまった貴方は、間違いなく「クラブ君」である。バランス計を持っている(実は2台目である)。ボーナスでロフト・ライ角調整器を買いたいとここ何年も思っているが、奥さんの許可が得られない。もちろん、練習している時間よりも工房にこもっている時間の方が長いし、ラウンドにかかる費用よりもクラブにかける費用の方が高かったりする。意味も無くグリップを交換し、余計に感触を悪くしたりする。シャフト交換でにっちもさっちも行かなくなり、青くなってプロショップに駆け込んだ過去を持つ。平均スコアは90前後、ベストスコアは一度だけ70台を出したことがある。


ニギリ君(トホホ度3)
 お互い朝の挨拶が済み、まだ手袋も嵌めないうちから「ちょっと、握りまへんか?」と言ってくる人がいれば、その人が「ニギリ君」である。ニギらないゴルフはゴルフではないと思っており、高額のニギリになればなるほど良いスコアを出す。平均スコアは85前後で、パットが異常に上手い。職種は自営業、その中でも工務店や不動産業、焼き肉やさんを営んでいるケースが多い。歳の割には非常にエネルギッシュで、大体顔は脂ぎっていて、冬でも汗かきである。人は良いが、あまりお友達にはなりたくないタイプではある。


初心者君(トホホ度4)
 「初心者君」は、練習場に一人で出没する。黙々と練習しているが、とんでもないスウィングでとんでもない球を打っている。見ていて、「なぜちゃんと教わらないのだ!」とイライラしてくるが、本人は一向に気にせず、ただただ球を打ち続ける。手元を見ると、父親のお古であろうと思われるスチールシャフトのブレードアイアンで、「本格的にするならもっと易しいクラブを買え!」とイライラしてくる。しかも5番アイアンばかり練習している。「もっと優しい番手から練習しろ!」とイライラしてくる。1度だけ父親と河川敷のコースに行ったが、その時のスコアは142であった。友達は少ない


練習君(トホホ度4)
 「理屈君が」デスクワーカーなら、この「練習君」はフィールドワーカーである。週に3回は練習場に行き、毎回200球から300球を打ち込む。ドライバーが大好きで、毎年買い換えたりしているが、現在のエースドライバーは「地クラブ」である。最近は80ヤード以内のアプローチを集中して練習しているが、なかなかうまく行かない。ゴルフ雑誌に書いている事、インストラクターに教えてもらう事をすべてメモし熱心に練習するのだが、理想のスウィングを追い求めるあまり複数の先生(や理論)に浮気し、なかなかスウィングが固まらない。
 調子の良いときは80台前半で回るが、ちょっとしたきっかけからとんでもない大叩きをして、100を叩く事もままある。大叩きをすると途端に機嫌が悪くなるのもこのタイプである。


上司君(トホホ度5)
 キング・オブ・トホホ君はどこにでもいる貴方の上司である。悪い人ではない。そう、けっして悪い人では無いのだ。しかし、一緒にラウンドすると周囲の人たちを全て奈落のトホホに落としてしまう。良くしゃべるし、口だけは絶好調である。ゴルフは三度の飯より好きだし、ゴルフ暦も長い。しかし、スタートホールの第一打からチョロをして、「ちょっと体が回ってないなあ」と解説が始まる。2打目も、3打目も解説してくれる。そしてそれは18ホール続く

 昼食時の話題も、午前中のラウンドの解説から人生訓、説教、仕事の心構えと、ゴルフ場での話題に一番相応しくない方向に膨らんでいく。午後もラウンドしながら仕事の心構えの続きをしゃべったりする。トホホ。

 もし、この人より自分がヘタだったりすると大変で、ラウンドレッスンが始まってしまう。同伴競技者の事はお構いなしで、部下である君を自分のようなへっぽこスウィングに仕立て上げるべく、泡を飛ばしながら熱心に教えてくれるのだ。しかし「こうやって打つねん」と言いながらの見本のショットや、自分の本番でのアプローチはミスショットばかりである。そして、「なっ。今のはヘッドアップや」と聞いてもいないのにまた解説してくれる。こちらは笑いをこらえるのに必死である。結局、アベレージは100ぐらいでいつも落ち着く。しかし、こういう上司を持った君が実は日本一のトホホ君かもしれない。


おたく君(トホホ度5)
 「上司君」がキング・オブ・トホホ君ならば、「おたく君」はゴッド・オブ・トホホ君であろう。この人を一言で表現するなら、「ヘタの横好き」である。ゴルフを始めた頃は「初心者君」であり、それから「ウンチク君」、「リクツ君」、「クラブ君」、「練習君」などの血筋を少しづつ受け継ぎ、経験をつむ事で一人前の「おたく君」が出来上がる。

 練習が好きで、それも異様に熱心である。練習場ではぶつぶつと独り言を言いながら球を打っている。でもヘタである。傘を持つと無意識にスウィングしてしまうし、喫茶店のお絞りをオーバーラッピンググリップで握ってしまう。立っている時は体重移動と腰の動きをついついチェックしてしまう。でもヘタである。クラブにもこだわるが、持っているのは誰もが持つキャロウェイで、実は只のミーハーである。でもヘタである。アプローチとパットの重要性に気づき、練習はしているものの、本番ではざっくりやチョロをしてしまう。ヘタである。スコアをコンピュータで管理し、数字を見て一喜一憂している。ごるふに関するホームページを作っちゃったりもしている。でもヘタである。1ヶ月に1回、「今度こそ悟った。もうスウィングが判った。」と言う。「目から鱗が落ちた!」とも言う。でもやっぱりヘタである。調子の良いときと悪いときの差が激しい。午前中50近く叩き、午後40を切ったりする。平均スコアは89.4ぐらいだが、本人は85ぐらいに目標を置いているらしい。それは世間では無謀と云う。他人事ながら、まさにトホホである。


 以上、9パターンのトホホ君を解説したが、ちょっと企画倒れの感は否めない。もう少しアイデアを練って書けばよかった。トホホ。


編者注:自信作である。最後の「おたく君」は、言うまでもないが私自身の事である。