ごるふの七不思議
(2002/1/9〜1/10)



 毎日ちゃらんぽらんに、何も考えず、計画性ももちろん無く、思いつくまま書き綴っているというか書きながらネタを考えているというタイトロープなこの日記であるが、おかげで日常生活も行き当たりばったりで過ごせる、という特技を身に付ける事ができた。今日は、昨日と一昨日にふと思いついて書いた「ゴルフ七不思議」について言及しようと思う(と書いている今現在、3つぐらいしか考えていない。我ながらすごいはったり人生であると思う)。


 1、練習好き、理論好きなゴルファーがそうでないゴルファーより下手な場合が多い

  下手だからこそ練習する(まさに私である)、考えすぎて思い切ってクラブを振れない(まさに私である)、という真理もあると思うが、それだけではこの不思議な現象は説明が付かない。良く良く考えてみると、そういう人は実はラウンドよりも練習の方が、また実際にクラブを振るよりも振るメカニズムを頭で理解する方が好きだったりするのだ(まさに私である)。ちょうど、オーディオマニアがそのソースよりもステレオセットに凝ってしまうようなものかもしれない(まさに私である)。本末転倒である。そういうゴルファーはゴルフをするには頭が良すぎる(まさに私である)のだろうが、ゴルフ向きの性格ではない(とことん私である)のかもしれない。

 2、日によって調子が全く変わってしまう

  昨日、あれだけ調子が良かったのに今日の練習ではボロボロ。また逆に、前日の練習で何球打っても当たりが出ないドライバーが、コースへ出てみれば一番調子が良い。ひどい時には、調子の良いラウンド中、あるミスショットを境に別人のようなチョロ、ダフリのオンパレード・・・「なーぜじゃー」と叫びたくなる。きっと、ゴルフの神様は女神なんだろうと思う・・・


 3、良いショットが良い結果に結びつくとは限らない

  例えばテニス。相手をコートの端に追いやっておいて、すかさずクロスへ矢のようなストローク。相手は立ち止まり、ただ球を目で追いかけるのみ。快心の一打である。また例えばサッカー。コーナーキックは理想的な弾道を描き、自分の前に近づいてくる。コンマ数秒のうちに敵ディフェンダーの動きとキーパーの位置を確認し、ゴールポストの狙った位置にヘッド!キーパーの必死のジャンプも空しく、頭を離れたボールは狙い通りネットを揺らす。良いプレーイコール良い結果であり、それ以上のものでも以下のものでもない。
  ところが、ゴルフでは完璧なショットが往々にして最悪の結果を招くこともある。完璧な手ごたえで300ヤード飛ばしても、キックが悪くブッシュに入れば2打目が打てなかったりするし、球の落下地点が少し傾斜しているだけで生涯最高のショットがOBになったりする。ピンに真っ直ぐ飛んだボールが旗竿にぶつかり、バンカーの中まで転がり落ちる事もある。それは、相手が人間ではなくコース(自然)であるからであるが、あまりにも不運が続く時、ゴルファーの思考は哲学の領域にまで達する。野球なんか45度以上横に打っても(ファールボール)何度も打ちなおしできるなんて、ずるい

 4、練習しても上手くならない

  全く、こんなスポーツは反則である。普通のスポーツは練習量に比例して上手くなるはずなのに、練習すれどもすれども上手くならないばかりでなく、余計に下手になったりする。まあ、実際にはもちろん多少の効果はあるのだろうが、少なくとも私の場合は練習場へ通うのは「上手くなるため」ではなく、「不安だから」ボールを打っているというのが本当の理由かもしれない。不調の時(殆どの時)はその不調から脱するため、好調のとき(年に1-2度)はその好調を維持するため、まるで何か悪い霊が取り付いているかの如く必死の形相で練習するのだ。でも上手くならない。ますます不安になってさらに練習場へ通う。でも上手くならない。どんどん不安になってまた・・・

 5、無茶苦茶な服装

  こと服装に関しては、ゴルフでは何でもありであると思っている人は多い。何度か言及したが、ゴルファーの服装はお世辞にもセンスが良いとは言い難い。さすがに昔のような原色の組み合わせ(黄色のスラックスに赤のポロシャツ等)は減ってきているものの、今でも大屋政子さんのような色使いのウェアを纏ったピンク色のオバサンやムラサキ色のオヤジなどが跳梁跋扈している。見ていると目がちかちかして網膜に残像が2-3日焼きつくほどである。
 これは日本だけの特徴だと思われるが、原因はおそらくそういうウェアを着続けてきたある超有名プロの影響が大きいと考えられる。まあ、人のセンスをとやかくは言わないが、「最大限譲歩してぎりぎりオバサン」という年齢のご婦人が、帽子からシューズまですべて真っ赤っ赤(しかもイタリアンレッド)というのは人を驚かすにも程があると思うが如何なものであろうか?暴れ牛にでも遭遇したらどうするつもりなのか?

 6、右へ曲がりたがるボール

  殆どのゴルファーがボールを普通に打つと、ボールは必ず右側に曲がる(中には左へ曲がる人もあるが、そういう人は私は嫌いだ)。これは、普通はスライスと呼ばれ、多くのゴルファーに忌み嫌われているミスショットなのだが、この原因については多くのティーチングプロや理論家がまさに星の数ほどの理由を上げてきた。曰く、フェースが開いている、曰く、軌道がアウトサイドインになっている、曰く、振り遅れている・・・・しかし、そのどれもが決定的なものではなかった事は、今も多くのゴルファーがスライスを打っている事で証明できるだろう。原因が間違っているのだから、直しようが無かったのだ、今までは。そう、私は応用物理学と地学、そして気象学の知識まで駆使してこの不可解な「右曲がり」の原因を解明する事に成功した。気づいてみればコロンブスの卵である。
 私が最初にこの事に気づいたのは去年の2月に沖縄でプレーした時の事であった。そこでは、なりを潜めていたスライスが再発し、曲がる程度も大阪に比べて大きくなっていた。私は、灰色の脳細胞を駆使し、阿笠博士と相談し、じっちゃんの名にかけて、月に代わってお仕置きされながらこの謎を解明したのだ。
 そう、全ては地球の自転が原因だったのである。動いている物(地球)の上で運動する物体(ボール)は、その動きの影響を受け、軌道が変わってしまうのだ。これを、物理学では「コリオリの力」と呼ぶ(本当)。北半球では低気圧の代表である台風が左回りになるのと反対に、ボールが飛ぶ時、圧力が上がるため右回りの風の流れが発生し、それによりボールは右回転する。だから、普通に打ってもスライスするのだ。大阪より赤道に近い沖縄ではより大きなコリオリの力がかかりるためスライス幅が強くなったのだ。
 従って、スライスを直すためには、北極か南極に引っ越しすればよいのだ。あるいは、南半球へいけば貴方もその日から憧れのドローヒッターである。えっ、現実的じゃあない?あなた、スライスを直す努力に比べたら引っ越しや極地に住んだりする苦労なんて屁みたいなもんですよ。

 7、これまで挙げた不思議の殆どが、他のゴルファーや妻にはあまり影響を及ぼさず私だけに顕著に現れる。

  ゴルフ界最大の謎である。


編者注:オチが不味いので全てがだいなしになってしまう典型例。