日記3

2001年11月1日〜15日

2001/11/1  やっと1ヶ月

 このページを開設して1ヶ月。驚くべき事に、のべ1000名弱の方々にご覧頂いた。皆様、ありがとうございます。今後も、できるだけ毎日更新を続けていきたいと思っていますので、よろしくね。

 さて、1ヶ月の日記を振り返ってみると、日記というより雑文の類になっているが、ネタが尽きるまではこのまま走ってみたい。しかし、自分の頭に中にあるネタをどんどん出していくというのは、例えると頭に穴が空いていて、そこから自分の考えがぽろぽろと漏れ出ているような感じで、何となく落ち着かないものだ。文筆家(特にエッセイストの類)はこれのもっと強烈な、虚脱感みたいな物を感じているのではないだろうか。私もネタを出し切った時、真っ白な灰になっているかもしれない。

 さて、今日は開設1ヶ月記念ラウンドである。この所、練習場でもまずまずの玉が出ているので楽しみだ。過去の日記で書いたように、アイアンがトップする癖のある私は、練習場で低くティーアップしだしてから球を上手く捕らえられるようになってきたような気がする(この時、特に払い打ちするだとかクラブを短く持つという小細工はしない)。これだと本番では余計にトップしそうな気がするが、それは杞憂である。現に、何球かティーアップした球を打ち、その後マットで打っても良い球が出るのだ。しかもコースでは大体において球は芝の上に浮いている。一度、フェアウエイにボールがある時にボールの後にティーを差し込んでみて欲しい。驚くほど球は浮いている事がわかるはずだ。

 私のようなレベルのごるふぁーは、マット上の球を打つ場合、どうしてもきっちり当てようとする方に気をとられ、当てに行ったり力が入ってしまう。その結果、良いスウィングをするという基本がおろそかになってしまうのだ。易しいライでクラブヘッドを振りきる事に集中する方が、力まず良いスウィングができるのだ。

 プロでさえ、普段の練習は良いライからしか打たないと聞く。フェースにボールをきっちり当てられる上級者や才能のある人は別だが、私のようにスウィングが固まっていない、スウィング時に力んでしまう人にはこの方法は絶対のおすすめである。

 あっ、ラウンド結果はまた明日。

 

  2001/11/2  フェアウェイで携帯電話

きさいちCC・梅松
hole 1 2 3 4 5 6 7 8 9 out 1 2 3 4 5 6 7 8 9 in total
par 4 4 3 5 4 4 3 4 5 36 4 3 4 5 4 3 4 5 4 36 72
score 4 5 7 5 5 5 4 6 8 49 5 4 6 5 4 4 7 6 5 46 95
putt 2 2 3 1 3 2 2 2 3 20 2 2 2 2 1 2 2 2 2 17 37

項目 今回 今年
Scoring Average
(アベレージスコア)
ボギー9
ダボ2
トリ以上3
95 88.8
パーセーブ率 22.2% 35.2%
ボギーセーブ率 72.2% 76.1%
Greens in Regulation Pct.
(パーオン率)
16.7% 31.4%
ボギーオン率 72.2% 77.5%
Driving Accuracy Percentage
(フェアウエイキープ率)
57.1% 56.0%
Driving Distance
( ドライバー平均飛距離)
199.3yard 221.4yard
Scrambling
(アプローチリカバリー率)
20.0%(2/8) 29.4%
Putting Average
(平均パット数)
2.06 1.9
ファインショット率(ドライバー) 57.7% 70.6%
ファインショット率(フェアウェイウッド) 50.0% 58.2%
ファインショット率(アイアン) 40.0% 59.8%
ファインショット率(アプローチ) 44.7% 69.2%

 最悪である。

 暑いほどの気候、見事な秋晴れ、良い体調、これだけ良い条件が揃っていたのに、最悪のラウンドである。

 スコアが悪かったことより、それを気にする自分が情けない。また、ラウンド中、こちらがアドレスしている横で何度も携帯を鳴らし、平気で話をする、という恐るべきマナー違反の同伴者よりも、それに精神をかき乱されてミスショットをする自分に腹が立つ。しかし、何が一番腹が立つって、マナーのマの字も知らない人間にスコアで負けるのが一番腹が立つ。まあ、大体こういう無神経な輩は自分の事しか考えないから、人にペースを乱される事なんて無い。だからよけいに自分の細かさが嫌になる。

 大体、朝の挨拶の時点で嫌な予感はしていたのだ。こっちが名乗っても名前を言わない。どういう神経か。スタートホール、ホールアウトして「4です」とスコアを申告しているのに何も言わない。スコアを付けずに回っているのかな、と思っているとしっかり付けている様だ。自分たち夫婦だけで教えあっている。我々を無視して。オナーは適当に決めて勝手にティーアップする。どういう神経か。で、極めつけが携帯電話。こちらがアドレスに入っているのに真横でおばはんの携帯が鳴る(しかも1度や2度ではない)。フェアウェイの真ん中で電話に出て、長々と大声で話をしだす。どういう神経か。話をしている間中、ボールを打たないでじっとしている。後ろの組が見たらどう思われるか、そんな事もわからないらしい。どういう神経か

 同伴者とコミュニケーションをとる気もあまり無いらしい。こちらは年下だし、それなりに気を使って話しかけたりするし、良いショットは出たときには「ナイスショット」「ナイスオン」の掛け声もかけている。失礼な振る舞いはしていないつもりだ。おっさんも、「ナイスショット」の掛け声は何度かかけていたようだが、殆どイマイチのショットの時で、本当のナイスショットの時は完全に無視する。わざとか?

 私の心が狭いんですかねえ(その通りである)。今日ばっかりは、きさいち名物の怖いキャディさん(ごく一部である)にいて欲しかった(セルフのラウンドだったので)。

  

2001/11/3  ごるふ文化

 文化の日、祝日である。だが、この日、文化について考える国民は何人いるのか?おそらく大きく見積もっても45人ぐらいでは無いだろうかと思う。全く嘆かわしい事である。ほとんどの人は「土曜日が祝日で損した(週休2日の場合)」、あるいは「得をした(土曜日出勤の人の場合)」ぐらいにしか思っていないのではないか(もちろん、私もその一人である)。

 2001年現在、日本のごるふ人口は1200万人を突破しているそうである。しかしどうやって数えたんだろう?1件1件の家を国勢調査のおばちゃんみたいな人が「おたくごるふしはりまっか?(大阪弁)」みたいな感じで聞いているのだろうか?それとも、夏、右手の甲の色と左手のそれが違う人を駅前とかで数えたのだろうか?ひょっとして、無作為に100人選んでそのうちの10人がごるふをしてるから、概算で数字を出したとか?わからん。

 まあ、いずれにせよ、国民の10人に1人はしているスポーツと云う事になる。ちなみに、私はごるふは単なるスポーツではなく、「生き方」であると思うので、それは兎にも角にも文化である(強引な論理の展開、というのも文化であるし、屁理屈も文化と言えなくも無い)。

 日本は今年ごるふ発症発祥100周年であるが、更生後世に残るような、ごるふ文化を根付かせるような行事はなされているのだろうか?プレーフィーの割引とか、お偉いさんが集まったパーティーだとか、試合の誘致だとか、どうも本気で祝おうとか記念にしようとかいう気が無い、といってしまえば語弊があるかもしれないが少なくとも私にとっては語弊が無いと言い切っても私にわざわざ文句を言いに来る人はいないだろうから言い切ってしまいたい。

 日本にごるふ文化を根付かせるためには、まず文化に程遠い人間をごるふから排除する事が必要であると痛感している。フェアウェイにタバコを投げ捨てるプロが跳梁跋扈していたり、会員権が億を越え投資対象になっていたり、犬のウェアを下品なオヤジが全く似合っていないのに嬉しそうに着ていたり(誰とは言わんが代表は元総理大臣のMだ)、政治家への袖の下に使われたり(誰とは言わんが元総理大臣のMだ)、フェアウェイで大声で携帯電話を使ったり(私はしつこいのだ)、数え上げればきりが無い。こういう人種が絶滅しない限り、日本のごるふ文化に未来は無い。

 せめて、100周年を記念してプレーイング4という恥知らずな田舎ルールだけでもごるふ場が一丸となって廃止していただけないものだろうか。そういう志(私利私欲を捨て本質を守る)から、文化というものは育っていくのではないのか?

  

  2001/11/4  ごるふ業界に望む(1)

 練習場へ行ってきた。ドライバーはティーを高くしてやればまあまあの当たりが出るが、やはりアイアンが良くない。どうしてもトップ目に入ってしまう。クラブが重く感じる。トップの位置がしっくり決まらない。体が回らない。ついでに頭(の中)も回らない。地道にショートアイアンをティーアップして打ち続けるしかないのか?

 さて、文化の日にごるふ文化について文句を垂れた訳だが、改善点の提案が「プレーイング4をなくす」だけでは余りにお粗末である。ほかに「お偉いさん方」に対して改善の提案をしてみよう。

 1、パブリックのごるふ場を増やす

  今の日本の現状では、改善されてきたと言ってもまだまだごるふというスポーツに対する敷居は高い。特に、競技者のいびつな偏りや金銭的な負担の高さ、ごるふ場の敷居の高さ、国内の殆どのごるふ場がメンバーコースといういびつさが、ごるふを特殊なスポーツとし門戸を狭めている要因になっている事は否めないだろう。

 これに対しては、JGAが中心となって、各団体、メーカー、ごるふ場、政界財界、自治体に働きかけ、各都道府県ごとに1-5個程度のパブリック(JGAが経営するのでなく市営、県営でも良い)ごるふ場を作り、5000円位のプレイフィーでラウンドできるようにする。もちろん、手引きカートのセルフ方式で、そこでプレーする時には基本的なルールとマナーの研修(2時間程度)を受け、認定証をもらってからしかラウンドできないようにする。教育機関も兼ねるわけだ。

 現在、ごるふ場を手放したいオーナーはゴマンといるだろうから安く買える筈である。瀟洒なクラブハウスも、キャディさんも、レストランも要らない。人件費を切り詰めれば十分ペイできるという試算もある(そういうごるふ場は国内にもある)。そもそも、ごるふをする事自体の敷居が高いから国の助成金もおりない訳で、アマチュアごるふぁーが襟をただし、多くの一般市民、子ども、若者、女性が気軽にごるふを楽しめる環境さえ作れば国民的スポーツとして必ず認知されるはずだ。競技人口が多いにも関らず、野球(特に高校野球)やサッカーよりもごるふが現在冷遇されているのは、ごく一部の限られたどちらかといえばお金持ちしかできないスポーツだという誤解(半分当たっているが)が大元にあるわけで、その根本的な問題部分を正していくのが100周年にふさわしい将来展望ではないのか?

明日に続く。

  2001/11/5  ごるふ業界に望む(2)

 昨日の続きで、日本のいびつなごるふ業界を斬る(なんちて)。今回は過激だからそのつもりで。

 2、オリンピック正式競技に

 国民の認知といえばやはりこれでしょう。もちろん、JGAや国内の機関だけで決められる事ではないが、これだけメジャーでアマチュアリズムが尊重されるスポーツなのにオリンピックに種目が無いというのはスポーツ界の七不思議であろう(ちなみに残り6つの不思議は楕円形のラグビーボール、サッカー選手が相手に攻撃されてこける時なぜ両手を挙げるのか、テニスで球を打つときなぜ声を上げるのか、新庄のメジャーリーグでの活躍、女子トイレの花子さん、万里の長城である)。

 ヨーロッパ対アメリカのライダーカップでもあれだけ盛り上がるのだから、オリンピックでも絶対盛り上がると思うのだ。JGAは、内輪のパーティーなんかを一流ホテルでするお金があったら、それをサマランチ元会長に袖の下として贈るべきであろう。

 3、ジュニアの育成

 スコットランドでは大人が子供に「家にいるくらいなら外へ出てごるふでもして来なさい」と言うらしい。この恵まれた、すばらしい国よ(私も将来仕事をリタイアすればスコットランドへ言って誰かの子供になるつもりである)。また、同じスコットランドのある伝説的プレーヤーは「私は人生のすべての事柄をごるふから学んだ」と言ったとか。そう、ごるふは生き方であり、文化であり、伝統であり、学校であり、人生の縮図であり、悪女であり、そして良き教育者であるのだ。

 ところが振り返って日本ではどうだろうか。一般的には、裕福な家庭のごく限られた子供がプレーするか、父親の悲壮なスパルタ教育の果てにプロを目指し、他のもの(学校での勉強、遊び、社会勉強、一般常識)を投げ打って子供をプロに仕立てる、というパターンが多いのではないか(もちろん例外は存在するが)。そのいびつさは某N大学の有名なごるふ部での軍隊式時代錯誤教育で頂点を極める。あるいは、大学ごるふ連盟会長の「茶髪、ピアスでごるふなどけしからん」という今どき中学校の生徒指導でも言わない(事はないか)締め付けお間抜け発言を聞けば一目瞭然だ(坊主頭にしてごるふが上手くなるんだったら私はとっくにスキンヘッドにしている)。

 その結果、挨拶の時に帽子も取れない無法者、一般常識ゼロの馬鹿、人間としては三流のプロごるふぁー、ごるふの事しか知らないで成人になったつぶしのきかない阿呆ぼん、自分がごるふ界の中心にいると勘違いした二流ごるふぁー、海外へごるふ留学してそこで悪い遊びを覚えて帰るだけしかできない人間のクズ、そのくせごるふが上手かったり先輩だったり偉い人間には媚びるという下衆などが大量生産される。

 子供は親の背中を見て育つと言う。人がアドレスに入ったらじっとしている、できるだけ速やかにプレーする、人のパッティングラインを踏まない、大声を出さない、人のナイスショットには賞賛の言葉をかける、人のミスショットには沈黙で応える、調子が悪くても腐らない、調子が良くても増長しない。そして、「自らが有利になるように振舞ってはならない」。即ち、人に対する思いやり、礼儀、我慢、迷惑をかけないこと、ルールの尊重、今のごるふぁーに、いや日本人に欠けている全ての事が教えられるはずなのだ。それができていないと言う事は、今の日本の全てのごるふぁーの罪であるといっても過言ではない。

 書いていて自分でも面白くなくなってきたのでもう止めるが、つまり何が言いたいかというと、ジュニアの育成ができないと言う事は自分自身が取りも直さず真似されたら困る三流の人間(団体)ですよ、と認めているのと同義である。

 自ら襟を正し、ジュニアの育成プログラムに本腰を上げていただきたい。

(明日から3日間、家を留守にします。帰ってきたら更新しますので、また見にきてくださいね。)

 

  2001/11/6  グアムごるふ三昧(1)

 そうなのである。グアムへ行って来たのである。2泊3日という勿体ないスケジュールではあったが、仕事の名目でごるふ仕事のついでにちょっとごるふをしようという、超過密欲張りスケジュールなのであった。メンバーは、私、妻、同業者の先輩Kさん(男性)、そして同じく同業者のFさん(女性)の4人である。ちなみに、ごるふをするのは私と妻だけで、KさんとFさんはその間別行動をするという、大人の旅(良く意味がわからない)なのだ。

 朝5時、車で関空へ。クラブは持っていこうかどうしようか迷ったが、結局持って行く事にした。と言うのも、私ほどの腕になると貸しクラブなんか使えない、のではなく、逆に良いショットが出たりして、自分のクラブ選びの目に根本的な疑問を感じたりして落ち込む可能性があるのでそれを避けるためだというのは今考えた理由で、やっぱり自分のクラブを使いたいという理由も実は希薄で、本当の所は貸しクラブ代45ドルかける2人かける2ラウンドの2万円を浮かそうと云う情けない理由からである。

 関空へは滞りなく着き、滞りなくKさんとFさんに合流し、滞りなくJALwaysのリゾッチャに乗り込む。グアム行きの747-300は全席エコノミーなのだが、前方の50席ほどはビジネスクラスの広い座席のままになっていて、チェックインの際にそこ(一番前の席)をリクエストできたため快適な旅となった。テロの影響で座席は半分ほどしか埋まっていない。アラブ系とおぼしき人種は乗っていなかった。一安心である。

 3時間で常夏のグアムに到着。ホテルはインターネットで直接リクエストしたアストン・ホリデイ・プラザである。一応ホテルロード沿いにあり、2泊で2人で92ドルという破格の安さであったが、窓から見える景色は隣のホテルの汚いごみ置き場であり、風呂場ではシャワーに切り替えてもお湯の半分は下の蛇口から出てくるし、ショッピングセンター等へ行く巡回バスはあまり回ってこない(炎天下のバス停で30分も待つ羽目に陥った)。やはり安いホテルにはそれなりの弱点があるものである。しかしごるふ仕事が出来ればそれでいいのだ。

 初日は仕事を済ませ、その後DFS(免税店)へ行く。ごるふショップがあるので楽しみにしていたが、円安の影響もありボール、クラブ、ウェア、その全てが日本より高い。正確には覚えていないがオデッセイのホワイトホットが125ドル、キャロウェイのRule35が1個4ドルである。このまま行けばこの店のみならずグアム全体が倒産してしまうに違いない。とにかく、人が全然いないのだ。

 ディナーはDFSの向かいのサムチョイで。いつもの事ながらその量に辟易とするが「らしい」味を堪能。またこれで腹の脂肪が・・・

 大して盛り上がらずに明日に続く。あすはいよいよ海越えのショートホールが名物のマンギラオGCである。

  2001/11/7  グアムごるふ三昧(2)


名物のレストランから眺めたインコース後半4ホール

 さて、マンギラオGCである。グアムといえば出歩いてお買い物より昼ごるふである。海越えの12番ショートホールはあまりに有名である。グアムへ行ったら、ごるふぁーはここを回らないとバチが当たる、というコースである。とにかく、であるったらである、である。(「である」は何個あるか数えよ)

 朝5時40分ホテルピックアップ。他のホテルから、多くの日本人(15人ぐらい)がこの辺鄙な(失礼!)ホテル前に集合している。最初はこのホテルに全員泊まっていたのかと思ったのだが、帰りはハイアットやヒルトンを回って何人かづつ降ろしていたので、マンギラオのウエブサイトで早めに予約したため私の滞在したホテルのロビーで待ち合わせになったようだ(推測であるが)。ラッキー!

 約40分、まだ暗い田舎道をバスは走る。マンギラオGCはホテルが密集するタモン湾の反対側にあるので、山を越えてグアム島を縦断するような感じになるのだ。走るにつれ、空が明るくなってくる。いい気分だ。

 ようやく到着。プロショップで受付。と、受付のねーちゃんが「380どるでーす」と言う。1人150ドルで何でそんな計算になるんだ?「ほわい380どる?あいしんく300どる!」と言うとねーちゃんが「おーつでいいずういーくでい。おーけー、300どる」だと。お前の頭は週休二日か?間違ったら謝れよ。まあ、本当に間違えたんだろうけど、吹っかけたら日本人は言い値で払うから高く言ってやれという感触がちょっとあったような気もする。このあたりも、ハワイと違って2流のリゾート地と言う感じがする。グアムへ来てから、観光客を馬鹿にしているような接客態度を何度か感じた(私が馬鹿にされているだけかもしれないが)。

 スタートは7時14分。エントリー数が少ないので7時頃に「いつでもどうぞ」と声がかかる。早速1番ティーへ。私の一番好きな瞬間がやってきた。朝靄に煙る緑の絨毯。朝露が日の光を浴びてきらきらと輝く。はるかフェアウェイを渡ってくる涼しい風。遠くから聞こえてくる朝独特のノイズ。天国を感じる一瞬だ。

 こうなると、もう成績なんてどうでも良くなる。1つのキャディバッグに私と妻の2人分のクラブを詰め込むためにアイアンを間引いて持って行ったのだが何故かその間引いたクラブの残り距離ばっかり残ってオーバーしたりショートしたりばっかりしようが、ティフトン芝のグリーンに泣かされようが(50cmを何度も外した)、アイアンをトップしようが、ドライバーをOBしようが100近く叩こうがどうでも良いのだ。今日ばっかりは楽しむ事が第一義なのだ。だから成績はノーカウント!

 さて、箱庭のようなアウトを回り、いよいよ海沿いのインコースである。名物ホールの海越えショート(164Y)は、やや左へ引っ掛けてオーバーしてOBとなってしまった。妻はのボールは2回打って2回とも海の藻屑と化した(本人が海の藻屑とならなかったのは残念幸いであった)。しかし、そこよりも終盤の4ホールからの景色、海の色(上の写真)が絶品で、再び天国にいる気分を味わった(熱射病で頭が煮えて天国が見えたのかもしれない)。

 ホテルへ帰り、明日回るコース(グアムインターナショナルCC)に電話を入れる。さすがに空いていて、朝一番の予約を入れる事ができた。昼からは買い物。Kマートで雑貨を、アウトレットでスニーカーを買う。アウトレットにもごるふショップがあったのだが、やはり値段は日本並み。キャロウェイのRule35ロゴ入りのキャップのみを買う(22ドル)。夕食はホテルの右斜め向かいのタイ料理屋へ。4人で100ドル前後。安くて旨かった。また明日は5時起きである。とっとと寝る。

 

2001/11/8  グアムごるふ三昧(3)

 今日が最終日。午後3時30分には飛行機に搭乗である。チェックアウトが12時である。綱渡り的な強行スケジュールだがまあ何とかなるだろう。

 朝5時40分ピックアップ。今日は小型のバンで、8人も乗ればいっぱいになってしまう。昨日のマンギラオは40人ほど乗れるバスだったからそういう所からもごるふ場の規模がうかがわれる。しかし、今日はホテルから近いごるふ場で無いと飛行機に間に合わないので選択の余地は無かった。

 我々の泊まったホテルを出て、ヒルトンホテルへ向かう。ここで、6人乗り込んでくる。皆バッグ持参である。年齢は50歳前後か。我々のように30代のごるふぁーはいない。リゾート地では新婚さんがアベックで回ったりする事も多いが、さすがに戦時下の今は殆どいないのだろう。

 ヒルトンからUターンしてごるふ場へ。約15分でグアムインターナショナルカントリークラブに到着する。ここは岡本綾子がコースアドバイザーでいくつもの池が特徴の難コースである(ところで、コースアドバイザーって、何?設計者は別にいる様だし)。ここでもプロショップを覗くが、食指をそそられるものは無い。コースのロゴが入ったボールだけ記念に買う。受付で1人120ドルを払い、帰りのタクシーを確認しておく。その後、スタートまで30分あるのでレストランへ入ると何も云わずにコーヒーを入れてくれた。妻が「これ、サービスかな?」と聞くが、はらたいらに200点かけるより確実に有料だと私は思った(事実、2杯で5ドルという高いコーヒーだったが、ウエイトレスのおねーちゃんが美人でナイスバディだったので許す)。

 さて、スタートである。昨日と違い、フェアウェイは狭めで、マウンドだらけである。コース周囲は椰子の林になっていて、見通しが悪い。距離はそれほど無い(青ティーからでも6300ヤードちょっと)ものの、ドライバーの正確さが物を言うコースだ。しかし、昨日と違って体が全然回らない。情けない(今になって考えれば、柔軟体操も何もせずいきなり回りだしたせいと思い当たった)。チョロ、ダフリの連続である。出だし、いきなり5オン2パットのトリプルスタートである。今日もスコアを気にせず楽しく回る事を決心する。

 3番ホールを過ぎたあたりで、猛烈なシャワーに見舞われる。カートから身動きできないほどだ。しかし、5分もしないうちに止む。大きな虹がかかる。パステルカラーではなく、アクリル絵の具で書いたようなヴィヴィッドな色。熱帯である。しばし見惚れる。成績なんて気にしないわ。

 しかし、コースが狭い。フェアウェイの幅が30Yぐらいしか無いのではないか?おまけに、カート道がフェアウェイやラフにいくつも点在するマウンドの外側を走っていたり、2つあるフェアウェイの一番外側しか道が無かったりするため、打った後に山登り、50Yの横歩き、30Y逆戻りしてカートに乗る、という繰り返しで疲れる事おびただしい。絶対に設計者はごるふをした事が無いサディストと確信した。

 さらに追い討ちをかけるように何度かシャワーが襲う。しかも、雨が降るたびに湿度が限りなく上がっていく。カートに乗ってじっとしていても眼鏡が曇る。熱帯雨林でごるふをしているようだ。

 またグリーンがまさにポテトチップスそのものである。あるホールなど、1mはあろうかと言う2段グリーンで、驚きを通り越してあきれてしまった。でも、もっとあきれたのはそのグリーンの上の段から打った、逆目のパッティングが段を下って2mまでしか転がらない芝目の強さである。昨日のマンギラオよりもさらに芝目のきついティフトンに、編者は41パットもしてしまった。強く打てば全然曲がらない、弱く打てば異様に曲がる、程々のスピードで打てばカップの直前の球足が落ちた所で急激に曲がる。逆目では勾配よりも芝目の方が100倍も重要だし、順目では結構早い。こんな芝は反則である。

 久々の100叩きであった。犬に噛まれたと思って忘れよう

 クラブハウスに帰ってくると、11時過ぎ。3時間半で回る予定だったのだが、一番スタートではなかったので仕方が無い。早速、タクシーを呼んでもらう。グアムのタクシーは「ぼる」ことが多いらしいので、あらかじめ目的地までの目安を受付等で聞いておくと良い。ちなみに、我々の場合はごるふ場からうちのホテル(ホテルロードの真ん中あたりにある)まで26ドルだった。ごるふバッグを運んでくれるわけだから、チップを含めて30ドル渡した。

 急いでシャワーを浴び、チェックアウト。時間より15分ぐらいオーバーしたが、受付で「ちょっとオーバーしそうだけどいいですか?」と言っておけば否と言うホテルは無いだろう。

 空港に着くと、機関銃をもった兵隊さんがうろうろしている。話しかけると気さくに話をしてくれて、そのうち機関銃をちょっと撃たしてくれる、なんて事は無いので写真を撮りたかったり話をしたかったら必ず前もって断ろう。いきなり機関銃を触りに行ったりしないようにした方が良いと思う。

 グアムの空港では、チェックイン後は喫煙所が無い。その代わり、喫煙可能なバー(ソフトドリンクもあり)が二箇所ある(恐るべき商魂)。4ドルと言う高いコーヒーを頼み、出発まで30分時間をつぶす。そこで、20代の若者がバーのおねーちゃんに何やら話しかけている。流暢な日本語で。おねーちゃんは片言の日本語はわかるようだが、なかなか意思の疎通ができない。どうやら他所で買ってきた飲み物を持って中へ入りたい、という風な事を言っているようだが、それくらいの英語、しゃべろうと努力くらいしろよ、英語圏に旅行してるんだから。全部中学英語でしゃべれるぞ。とどうでもいい事で腹を立てながら帰ってきたのである。ちなみに、帰りも一番前のビジネスシートでぐっすり寝られた。

 もっと面白く書けたはずなのに、ただの旅行記になってしまった。時差ボケに違いない。明日の日記からはまたもと通りさらにつまらない日常のあれこれに戻るのでそのつもりでいて欲しい。

 

  2001/11/9  ビデオが教えてくれた致命的な欠陥(1)


無謀にもデュバルと見比べたフォロー。ビデオから起こした画像なので
ちょっとぶれて判りにくいですが、全然手首が返ってません

 常夏のグアムから晩秋の日本へ帰ってきて、いきなり風邪を引いた。子供の頃は風邪を引いても体は元気だったしすぐに治っていたが、今ではちょっと油断しただけで風邪にかかるし全快に何日もかかる。だるくて何をする気も起こらない。私の想像だが、風邪のウイルスが年々凶暴になっている気がする。あと100年もすれば風邪にかかったとたんに即死するかもしれない。このままだと人類は絶滅するだろう。政府に一刻も早い対応を望みたいところだ。

 今日は大発見をした。今度は正真正銘の目から鱗である。私の悪い癖は、球を上げようとするためか単なる力みのせいかインパクト後に体の左半身が伸び上がる事で、インパクト後に右肩が下がり、左肩と左手が上へ吊り上がってしまうような姿勢になってしまうのだ。その結果体重が左へ乗っていかず無茶な逆C字型のフォローとなり、結果フィニッシュは明治の大砲になる。不細工な事おびただしい。しかし、今日グアムでラウンドしたビデオを見、それと今週の週間ごるふダイジェストのD.デュバルの連続写真を見比べてようやくその原因を突き止める事ができた。

 インパクトからフォローにかけて右手が全然返っていないのだ。フォローで両手が地面と並行になったとき、デイビッド君(に限らずどんなプロでも)は右手の甲が左手の甲を追い越し、手袋をした左手が右手の下に位置している。しかし、ビデオの中の私は、フォローの同じ位置で手袋の方が右手より上に位置しているのだ。こんな無茶苦茶な振り方をしていたら、そりゃあ腰も痛めるし球もつかまらないし何より格好悪いこと甚だしい。成績と同程度にスタイルを気にする私としては、これは意地でも直さなければいけない。

 アマチュア界きっての理論派と(私に)言われる私である。原因を突き止めなければ。

2001/11/10  ビデオが教えてくれた致命的な欠陥(2)

 さて、手首が返らない原因の追求である。ここで、ただ単にインパクトで手首を返すといった、文字通り小手先の調整で終わらせてしまうとスウィングがさらに無茶苦茶になるのは火を見るよりも明らかである。なぜなら、素振りでは上手く返っているのだ。一般的に「素振りと本番で同じスウィングができればプロになれる」というぐらい、素振り通りのスウィングをするのは難しいことは知っているが、これほど違うとは・・・。ここは冷静に、スウィング全体を考える必要がある。

 そもそも、手首は意識して「返す」ものではなく、「返る」ものだと思う。自然なスウィングによって、クラブが正しい軌跡で振られる事で手首は返る筈だし、インパクトの一瞬に手首を意識してヘッドをスクウェアにするなんて、できるはずが無いと思う。よし、ここまではOKだ。

 という事は、ヘッド(=手首)が返る様な力が本番でのスウィングではかかっていない、と言うことだな。スウィングは首の付け根を中心とした斜めの円運動だから、手首が返る力はヘッドの遠心力だろう。フォローで手首が返る遠心力がつかないと言う事は・・・ダウンスウィングでアウトサイドから直線的にクラブが下りてくる?そうだ!そうに違いない!それしかない!(上の図)

 もともとスライサーだし、ドライバーからウエッジまでこすり球を打たせれば日本一、左への引っ掛け球を打たせたら関西一の私であるから、相当なアウトサイドインの軌跡になっているに違いない。過去に落ちた鱗を丁寧に拾い集めて見てみても、「トップの位置で左手首を甲側に曲げないようにするとスライスが出にくい(鱗No31)」というのは結局インサイドからの軌跡を生み出すための物だし、「トップから最短距離でクラブを引き降ろす(鱗No9)」というのもやはりインサイドアウトの軌跡のためのコツである。

 わかった。わかったらこっちのものだ。これが実践できれば、「スウィングなんて歩くより簡単」だ(盗作)!早速、明日から今年4回目のスウィング改造に取り掛かろう。


 ・・・ところで、どうしたらインサイドアウトに振れるんですか?

 と聞いてみても、誰も答えてくれないので、自分で色々と調べてみる事にした。といっても、さすがに持っているレッスン書を全てひっくり返すほどの時間は無いし、「スライスの直し方」ならともかく「アウトサイドインの直し方」ではWebで検索するのも骨が折れそうだ。それに、今度の木曜日は年に一度の大きなコンペ、S杯が控えている。あまり大きなスウィング改造はやっぱり危険だ。

 と言うわけで、もう一度基本に立ち返る事にした。そう、困った時の坂田プロ頼み、ショートスウィングである。ショートスウィングの詳細はここでは述べないが、要はスウィングをシンプルにして正しい軌跡を体に覚えこませる打ち方である。私は、このスウィングを「ボールを打つ素振り」と位置づけている。

 で、早速練習場へ。何球か打っていくと、体がだんだん思い出してくる。1年半前に、3ヶ月だけだが一生懸命していたので、さすがに体が覚えていてくれた。しかし、軽いドローが出るはずがやはりスライスないしフェード系の球しかでない。先が思いやられる。

 今日の一言。 ごるふの上達 三歩進んで四歩下がるの繰り返し

2001/11/11  練習場の妖怪(1)


 真面目な日記が続いたので、ちょっと息抜きを。

 ごるふの良いところは、練習してても楽しい事である。中には「練習なんかした事が無い!」というツワモノもいるが、少なくとも私は練習場に行く事自体が楽しい。練習場にはOBが無いし、さらにスコアをつけなくて良いからだろう。

 しかし、この研鑽を積む神聖な場所で、不快に思うことが少なからずある。よく少年野球のコーチなどが「野球をするヤツに悪いヤツはいない!」と阿呆な事をほざく(それだったら国民全員に野球を義務付ければ警察は要らんじゃないか)が、ことごるふに関しては口が裂けてもそんな事はいえないのが実情である。

 今日は、練習場で良く見かける妖怪を紹介する。(妖怪度はどの程度人間離れしているかの指標。迷惑度は周囲の人間にどれくらい迷惑を掛けるかの指標で、いずれも5段階評価)


 ぬりかべ女(妖怪度1・迷惑度3)

 顔に漆喰を塗りこんだような目立つ顔が特徴。壁のような大きな顔を持つ(事が多いが、態度がでかいからそう見えるだけかもしれない)。服装も派手なことが多い。それだけなら人に迷惑をかけないが、一瓶全部振りかけてんのか!というぐらいのきつい香水の匂いを発して周囲の人に吐き気を催す。スウィングするたびに匂いがきつくなる。退治方法はない(この手の女に対し、話せばわかるなどと絶対思ってはならない)。打席を替わるしかない。


 サケクサー(妖怪度2・迷惑度4)

 酒臭い息を周囲に発しながらご機嫌で練習していたら、それがサケクサーである。夜や休日の練習場に非常に多く出没する。とにかく臭い。私は左右の打席をサケクサーに占拠された事が一度あるが、あまりの臭さに頭が割れそうに痒くなった。この妖怪は絶対数が多いので、退治は難しい。帰りに車で後をつけながら携帯電話で警察にタレこむぐらいであるが、さすがに私もそこまでしたことは無い。せいぜいそいつの席にエチケットガムをそっと置く程度であろう。


 やかまし童子(わらし)(妖怪度2・迷惑度3)

 仲間数人で出没する。ごるふを始めたばかりらしく、クラブは父親のお下がりであるがバッグは必ずナイキのスタンドバッグである。とにかく五月蝿い。顔付きもハエそっくりで、スウィングもハエそっくりである。頭の中もハエ並みにちがいない。一打打つたびに「うーわ、スゲー!見たかオメー!」とか、「あっ、ミスった。クソ」とか、とにかく喋っているのか打っているのかわからない位やかましい。一打ごとに感想を言わないといけないとでも思っているのか。しかし、この妖怪は別名「プッツン童子」と言われるぐらい怒りっぽいので、マシンガンなどの銃器類を携帯していない時は相手にするべきではない。ハエは放っておけば知らぬ間に飛んでいくものだ。


明日に続く。

  2001/11/12  練習場の妖怪(2)

 練習場に巣食う妖怪の紹介、第2弾である。


 発情虫(妖怪度2・迷惑度2)

 アベックで来ているごるふぁーの半分はこの妖怪である。オスは例外なく下手糞で、「おかしいなあ」と言いながら打ち続ける。10球に1球いい当たりが出ると、後ろを振り返ってにやっと笑う。メスの方は殆どが不機嫌そうで、退屈そうで、寒そうにしている。

 こんな自分勝手な男だから、鉄板ですぐに別れる事になるだろう。いつ別れようか考えているのかもしれない。中には、オスと波長が合うのか、「私も打ちたぁ〜い」と言うメスもいるが、ミュールを履いてきているので裸足になって打っている。オスは、内心では親父にだまって持ち出したクラブを壊さないかはらはらしながら、それでも嬉しそうに手取り足取り教えている。でもすぐにイライラしてきて強引に止めさせ、また自分で打ち出す。ただし、ここまではまだ許せる。微笑ましいといって良い範囲だ。

 この前など、メスがオスのひざの上に座って交尾寸前までいちゃついていた。許せん(断じて羨ましがっている訳ではない)。退治方法は、周りの親父と結託してじっと見つめる事であるが、この妖怪はつがいの相手しか見えない事が多いので徒労に終わるだろう。たかが虫だと思うしかない。


 けむり男(妖怪度3・迷惑度5)

 火の着いたタバコを灰皿に置いたまま練習する。消したつもりのタバコがくすぶっていて、その煙で攻撃してくる。中にはくわえタバコのまま練習するヤツもいる。喫煙者にとっても、他人の煙、特にくすぶったり放置されたタバコの煙は不快な匂いを発するが、本人は気にしてない。恐らく神経が無いのだろう。退治方法は、水や飲み物をそのくすぶったタバコにかけるしかない。ただし、くわえタバコに向かってジュースをかけたりするとまず間違いなくケンカになるので気をつけなければいけない。


 ジャンボ入道(妖怪度3・迷惑度1)

 読んで字のごとくである。知ってか知らずかジ○ャンボ尾崎の真似をしているらしい。真似されるジャ○ンボが可哀想である。犬のプリントの入ったポロやセーターを着て、ボトムは未だに尻ポケットに刺繍の入ったジーンズである(今どきどこに売ってるのか?)

 この妖怪は不自然なほど体がでかい事も多い。人間に直接迷惑をかけるわけではないが、見ているだけで腹が立つのはコースでの傍若無人な振る舞いが容易に想像できるからかもしれない。また、容易にしゃべりオヤジ(後述)に変化するので群れた時は注意が必要だ。


 ぱなし君(妖怪度4・迷惑度4)

 ジュースの紙コップを置きっぱなし。ボールのかごを置きっぱなし。汚いおしぼり(人が使った後のおしぼりって、なぜあんなに気持ち悪いのか?)も置きっぱなし。すぐ後ろで私が待っていて、入れ替わりに席に入ったのに置きっぱなし。誰が始末するの?「忘れ物ですよ」といった優雅な注意も無視して帰ってしまう。親の顔が見たい。

 こういう時は、自分で片付けて、ムカムカした状態でどれだけ冷静に練習できるかの精神修養を積む、ぐらいしか対処方法が無い。ごみとおしぼりを投げつけるほどの勇気を私は持ち合わせていないが、もしそういう行為に出たとしてもごるふの神様は許してくれると思う


 まだまだ妖怪話は続く。

  2001/11/13  練習場の妖怪(3)

 好評な練習場の妖怪、いよいよヒートアップして第3弾である。



 しゃべりオヤジ(妖怪度4・迷惑度4)

 女三人寄るとかしましいというが、中年男もまったく同じ、いやそれ以上にたちが悪い。3人以上寄ればとにかく大声でしゃべり、下品に「ゲハゲハ」と笑い、不快なこと極まりない。全く最近の年寄りは困ったもんである

 また、多くの場合その中にはサケクサーやけむり男、教え魔がいる為、不快の相乗効果が生じる。退治方法であるが、幸いなことにこのオヤジたちは単独になると途端におとなしくなる(一人になってもうるさいオヤジは本物の妖怪であるから係わり合いにならないほうが良い)。

 バッグのネームタグからそいつらの名前を割り出し、家族を装ってごるふ場に電話をかけ、「家が火事ですので至急お帰りください」とアナウンスをしてもらうといなくなる。


 たたきジジイ(妖怪度5・迷惑度5)

 1球打つたびに、マットを「どん」とクラブヘッドで叩く迷惑なオヤジ。上手く打てない悔しさでそうしたい気持ちもわからんではないが、毎回毎回「どん」「どん」と周りに響きわたる不快な音を発し続ける

 一度気になると規則的に襲ってくるその音でこちらの集中力はずたずたである。自己顕示欲か?単なる癖か? しかしたいていの場合、会社や家庭で上司や妻に苛められている腹いせにマットを叩かざるを得ない、というある種かわいそうな妖怪ではある。

 退治方法は、「ジジイが叩いた瞬間にこちらもマットを叩くのを何度も繰り返す」だが、無神経な輩が多いので気づかないことも多い。余計に周りに迷惑をかけると言う危険もある。集中力を高める試練だ、と思うしかない。


 教え魔(妖怪度100000000000000000000000000000000000000000000000・迷惑度1000000000000000000000000000000000000000000000000000)

 ごるふの妖怪の中で、スコアを誤魔化す「ウソツキー」よりも始末に負えない、最低の妖怪。普段はむっつりしているくせに、自分より下手な人間を見つけるとにやにやし出す。また、異様に地声が大きい。左右5打席ぐらい、計10人もの人間に延々と自説を垂れ流し、ひとり悦に入る。周りはいい迷惑である。

 挙句の果てに実演するが、これがまたお笑いで、上手いためしが無い(この妖怪のハンディキャップは大体10から15の間であるが、コントロールカードを極限まで誤魔化して得たものである場合が多い)。自分よりも下手な人間を見抜くことに特殊な能力を持ち、自分より上手い人間には敵愾心からか異様に卑屈な態度をとる。恐らく実社会でも「上にへつらい、下に威張り散らす」生き物であることは想像に難くない。

 こういう妖怪に取り憑かれたらその人のごるふ人生は終わりである。練習場に行くたびに揉み手をしながら近づいてくる。練習場を代えても、いずれまた取り憑かれる(色々な練習場を回っているのだ)。従って、最初に接近遭遇した時にしっかり退治しないととんでもなく人生の無駄になる。

 退治方法は、他人が教わっている場合は、頃合いを見計らって「ぷっ」と吹き出してやったり、さも馬鹿にしたように独り言気味に「ふぅ〜ん(「〜ん」の部分は音を上げながら)と言ってやる(ただし妖怪より下手だとこちらが取り憑かれる)。

 自分が教わっている場合は教われば教わるほど下手に打つ。「あんた才能無いなあ」とか何とか言われたら「あんたも教える才能無いよなあ」と言い返す。それで角が立つなら、何気なく「私はハンデ6まで行ったんだけど、腰を悪くしてスウィングを改造中なんですよ」とか、「小指が無いから上手くグリップできねえんだよ!」などと言えばすごすごと消えていく。「江連さん直々に教わったんですけどねえ」とか、「ブッチハーモンのレッスン会で、今の打ちかたで良いと言われたんですけど」と言うのも効果的だ。妖怪退治には嘘も方便である。

 ごくまれにだが片手シングルクラスの教え魔が存在するが、この妖怪は人を正しいスイングへ導いてくれる、たいへん良い妖怪である。遭遇したら友だちになろう。


 最後に、

「としよりを 疎むないずれ 行く道だ」
「若者を 厭うなかつて 来た道だ」
「人のふり見て我がふり直せ」

とオヤジ臭い言葉でこの妖怪シリーズを締めくくることとする。

  2001/11/14  明日のためのその1

 明日はいよいよ年に一度の大きなコンペ、S杯である。仕事の取引先が主催してくれるコンペだが、一昨年のこのS杯が私にとって生まれて初めてのコンペで、上がりまくって出だしのホールでチョロを打ち、皆の失笑を買い、106も叩いた屈辱のコンペである。また、10/20の日記の「私はホントに嫌なヤツ」のエピソードもこのコンペであった。

 去年は大事な用事で極めて残念ながら出席できなかったので、今年は結構意気込んでいたのだが、グアムのティフトン芝に翻弄され、調子を崩した今のままでは一昨年の二の舞である。グアムなんて行かなければ良かった。クラブを代えたり(言い訳の為に)、怪我をしたり(言い訳の為に)しようとも思ったのだがどうも後向きのような気がするので、ここは前向きに練習に出かけることとした。そう、私にはショートスウィングという強い武器があるのだ(注:ショートスウィングは1日や2日したからといって上手くなりません)。

 昼は鋭気を養う為にしっかりお昼寝(お昼にやや時間に余裕ができる仕事なのだ)をし、夜、仕事が終わってからたっぷり栄養のある夕食を腹いっぱい食べ、リラックスの為に2時間ほどテレビを見て、筋肉をほぐすためにゆっくりフロに入った。これで練習の準備は万端である。ところが意に反して体が休息を要求する。前日に無理して練習するのは良く無い、と頭の中に電波が入ってくる。しかし、私の意志は固いのだ。全ての雑念を振りきり、練習に行く。

 で、今練習から帰って来た。最悪である。疲れに行ったようなものだ。全然当たらない。アイアンもドライバーも今年で一番出来が悪い。考えれば考えるほど泥沼だ。肩と腰と手首と足首と頚椎と肘を痛めた。明日の言い訳はできたが、18ホール回れるかどうかも危ぶまれるほどの痛みである。やはり500球も打つんじゃあなかった。・・・・・・という結果になるような気がしたので、やっぱり練習は止めておこう。というか、今晩からコースの近くに宿泊するので実は行きたくても行けないのだよーん(私の事を嘘つきと呼ぶ人が多いが、どうしてかわからない。上の文章にも、嘘は一言も入っていない。「・・・と言う結果になるような」という仮定のセンテンスは「全ての雑念を・・・練習に行く。」からすでに係っているのである)。

 さあ、明日はがんばるぞ!じゃあ、いってきまーす!
(明日の日記の出だしが「最悪である」でない事を心の底から祈る)

 

  2001/11/15  ささやき

 私は恐怖する

 数ヶ月前から、いや、数年前から、あるいは生まれた時からか
 私は恐怖している

 囁きが聞こえる 内なる囁きが聞こえる
 囁くそいつの名前は「本心」

 そいつは、ことあるごとに私に囁きかける悪魔だ
 耳元で、フェアウェイで、グリーン上で、練習場で
 囁きかける
 それを認めてしまえよ 楽になれるぜと。

 私はそいつの囁きに恐怖する そいつの存在に恐怖する
 そして そいつの囁きの意味に恐怖する。

 そいつは囁く
 「お前にはごるふの才能なんてひとかけらも無いぜ」と
 

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